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山中記

境目。


視界全面真っ白な霧と、種々の鳥の鳴声。
栄養ドリンクと、ストレッチと、新聞の屋上4:30。
今朝は早起き志願者を2人起こすのに成功した、っぽい。
浅野次官、ぢゃなくて、
朝の時間は私的に貴重な時間。

 * * *

<何を食べようと、どんな生活をしようと優劣はない。
 多様性自体がこの世界の豊饒さであり、一方、それが危機に直面している>

”静かな時間”を殺して、優先すべき何かに向かうことが「ヒトとしての成長」なら、
その成長は私的には比較的貴重でもない。
頑固論ではあるけど、
結局、見るものや聞くもの、触れるもののその混沌や広がりを、
なるべく見失わずに、冷静に把握できるのは
自分が好きな空間、静かな時間で。
そこの先で創り、触れて、そうして広がっていく方が、
より強くて、柔らかいなあ、これはと、たまにお香など嗅いでいるとそんなことを想う。

 * * *

<「奇妙」と「普通」の境目が揺らぐような、めまいに似た感覚>

自分の「境目」という言葉への執着なのか、感覚というべきなのか、
いずれにせよ、「境目」がヒトよりもずっとぼんやりしていて、
小さい頃から、友達と帰り道に別れるとき、
なんでそれぞれのうちの屋根の下に入らなきゃいけないのかが、
心の隅まで納得して理解することができなくて。

学生のときは学生のときで、みんな大好きな者同士で家に住んだり、
就職活動(結局途中で佐渡に渡ってやめた)のときなら、
みんなで会社つくりたいなあと思ったり。
単なる逃避や依存かと自問すると、どうもそれだけじゃないなあと
10年経った自分は自答してみたり。いまだにそんなまま。

いまもそう。
誰かと別れるタイミング、別れ際が潔くない。
どうにも苦手。
好きなもの、ヒト。境目はいつも曖昧然。

 * * *

<量が質に転化する瞬間があるはず>

「毎年一年生」な農作業の量についてもそうだと思えるこの頃。
頭でっかちを壊すには、家帰ってぶっ倒れて寝てしまうくらいの圧倒的な量が要る、
・・・こともある。
昨夜も帰ってきて本能のままにご飯喰いちらかして、
気付いたらそのまま寝てしまってた。
風呂入るまでに2時間かかってしまってた。


Learn as if you will Live Forever,
Live as if you will Die Tomorrow.
(永遠に生きるかのように学べ、
 明日死ぬかのように生きろ。)

 * * *

<記憶が生きものである以上、むろん、日頃の栄養は欠かせない。>

記憶は化石じゃない。
風化する記憶と、
風化しない、させない、させたくない、その記憶との違いは何かなあと考えると、
その記憶の宿主や、その記憶に関わるヒトの、後付けの想いなんだと思う。

だから何の脈絡もない日常が、生きものとしての記憶にさらなる刺激を加えて、
呼び起こしたり、揺さぶったり、膨らましたり。
記憶のクリエイション。


新聞一つでもずいぶんな種が散りばめられている。
あなどれず、日経日曜。
またやってくるなあ日曜日。予想気温30℃。
日経日曜と農の作業量自体はこの頃少し相性が悪めで、
両者の媒酌人はぽりぽりと頭を掻き、こりこりとラムネなど食む。


境目。_b0079965_77452.jpg


<そしてきっといちばんすきなものをみつける
 みつけたらたいせつにしてしぬまでいきる>
  (谷川俊太郎「さようなら」)
by 907011 | 2009-06-19 07:09 | Trackback