山中記

松之山にて。

前回記した「滝行」(修業の「業」かと思った)の後、
なおも昼からキヨシさんと松之山へと出かけた。

先日、田の草取りを手伝ってくれた援農友達が、
松之山のコグレさんという、これもまた変わり者な方と友達だそうで、
「会ったら絶対楽しいと思うよ」と氏の携帯電話番号などの入ったメールをもらったままだった。

記載されていた集落名を言うと、
キヨシさんが「それは俺がツル細工の山ブドウを取りに入る山だ」という。

道中パンをかじりながら、小さな自治や山ブドウの話を聞きながら松之山へ。
その集落は集団離村して廃村となった集落だという。
そこに移住者が3軒だったか(?)、空家に入って暮らしていた。
そういう自治もある。

中国から来た朱鷺を、最初佐渡の朱鷺が生きていた頃は「中国の朱鷺」と呼ぶけど、
佐渡トキが死んだら、突如「中国の朱鷺」は「佐渡の朱鷺」へと呼び名(愛着?)が変わる。

住みたいニンゲンが住みたい集落に住めば良い。
その土地に残らなければいけない理由はないし、
逆に、その理由だけで残るニンゲンはある時に突然、脆さが出てしまうものだ、とキヨシさんは言っていた。
自分もまったく同感で、住みたい人が住みたいところに住めばいいと思う。
自分で考えて、削って、選択して、決断して、覚悟した上で。
その上で、それを後から他人のせいにしない、と自分で認識して。

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コグレさんと関東からお手伝いに来ていたタカマツさんとお茶を呑む。
たしかに、おもしろい人物だった。
希有な価値観というのか、
ぶれない軸が身体から脳天にかけて一本通っていて、
なおかつ、その軸の周りに面白い養分がぐるぐるとくっついているんだろうと思えた。

どっかで見たことあるなあ、と帰宅してから、
長岡の小林茂監督からのメールを読み返していたら、
去年のアジア映画祭で流した、撮影報告のラッシュがちょうどコグレさんと田んぼとヤギの映像だった。
翌朝、監督にメールを送ったら、「また明日から撮影に入ります」とのこと。
『風の波紋』、カンパも是非よろしくお願いします。
http://tsukurukai.blog103.fc2.com/blog-entry-1333.html#
 苦悩する「農村・農業問題」を抱えながらも、
人間が自然と相対して醸し出される「喜び」や「精気」をたんたんと描いてみたいと思うようになりました。


「映画は核心の所でゆれています。」という監督からのメールにあった言葉が印象的だ。

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コグレさんたちの田の前にぽつんとあった、現役の作業小屋。
中で火も炊けるようになっていたし、
数年前にはここで寝泊まりして田んぼをした縄文風の猛者もいるらしい。
雪で傾いているらしいので、そろそろ骨組みから立てなおすそうだ。

ヤギが草を食み、名古屋コーチンともみじらしき鶏が小屋におさまっていた。
本当に、知らないうちにあの映像で先に目にした風景に少しとまどった。
松之山もまた色濃いところだ。

山ブドウの素材を採りにほぼ毎週来て、この集落の山に詳しすぎる高柳・門出のキヨシさんに、
松之山地元民のコグレさんたちが変な別れの挨拶を交わしていた。

(コグレ宅の前で山を見ながら)
キ「あ~、あのツルは今年実がならんな。向こうのあの木の上に出てるのは実がつくけど」
コ「どれ?どの木?どのツル? ここから見てわかるんですか??」
キ「おー、山ぱっと見れば分かるよ。そればっかり探しながら運転してるし。あ、あれはいいツルになる」
コ「鈴木さん、この山とか木のことをもっと教えてください」
キ「おー、この山のことだったらほとんど見てきたから何でも聞いて」
コ「今度、案内してください!」

どんなフィルターで見るかによって、その山の見え方もだいぶ違うようだ。
俺はまたもう何種類か、お茶を摘みたくて。
イチョウ、サンショウ、スベリヒユ、ツユクサなどは今月採るべき素材。


また違った角度からのエネルギーをもらい、
その後数日、3回目の田の草取りと、田畑の草刈り(含山中生産組合)と畑に従事した。


とうとう、枝豆なった。
ニンジン、タマネギ用にまた灰を使いたいので、焚き火をします。
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by 907011 | 2012-08-03 04:20 | Trackback | Comments(0)
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