山中記

力のモーメント。

山中の多くの家がそうなのですが、
冬季になると車を家に置けなくなるので、
ムラの入り口に共同駐車場が設けられます。
除雪車がやってきてくれる大きな道路までは、
各戸玄関からスコップ持ってかんじき履いて道をつけていかないと出てゆけない。

今年も冬を前に6戸ほどが山中を離れた。
そのうち、おそらく春に戻ってくるのは3戸4人かあるいは2戸3人かというのが現状で、
ここ2年に渡り、厳しい現実を目の当たりにしている。

我が家に軽トラが入れるようになるのは、
最終的に機械で飛ばしてもらってもやっと5月の連休頃。
「一年の半分は雪だすけそ」と前に年寄りに言われて、
そんな大げさなと思ったけど、事実そういうことになる。

 * * *

ここ数週間は忘年会や反省会、その他発作的飲み会が10数回あり、
山中の家に帰れずに岡野町(役場の近く)の家に泊めてもらうこと数回。

先週。
木曜夜に忘年会があり、3次会まで駒を進めてやはり岡野町に泊まる。
未明から積もっていた雪が、山中に戻るとさらにそのまた倍にどーんとなっていて、
半日ほどで軽トラはもはや脱出不能な埋まり方になっていた。

失敗や下手が笑いのネタになるとすれば、冬のワタシはそれらに事欠きません。
(翌日救け出してもらえました)


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冬になると決まって自分は弱るので、
いかに無理せず適当に冬を暮らそうかというのが毎冬の考える種になる。

時節柄いろんな席でいろんな方の話を聞き、飲みながらふと一瞬我に返ってみたら、
一.自分は山中でかなり静かに暮らしたくて移住してきたのだということ
一.自分にはボランティア精神というものが特に無いようだということ
という、大きく強く筆書きして額に入れて全社員が見える位置に掲げなくてはいけないような(社訓?)、
根本的なことに気付き、「はっ」としてしまった。

ただ、この避けがたく寂れゆく小さな集落での暮らしを通して、
自治とは何か、最小限の経済を実現するにはなどというテーマを想い、
素朴に見つめ直すことは自分にとってとても興味深い。

 * * *

前回の日記ともつながるわけですが、
大型特殊免許と作業免許(通称)を無事取得し、除雪車等のいわゆる重機に乗れるようになりました。

そして今夜も山中生産組合の忘年会。



二つの山塊で、形が瓜二つというのはほとんどなく、
かならずその一つ一つが、独自の変わった山容を持っている。
日本の山の美しさは、やはり「不揃い」の美しさだといえよう。
日本美を知った人がほんとうに学んだことは、
「自然」の最大の妙味は「不揃いなり」ということに尽きる。

小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)『日本暼見記』

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by 907011 | 2013-12-21 10:39 | Trackback | Comments(0)
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