卯月。
4月下旬。
マサオさんの苗づくりを、
ハザマ君に体験(手伝い)してもらった。
その傍らで俺も手伝うフリをしつつ、
門前の小僧のように、育苗の仕方を聞いて学ぶ。
育苗床土(無肥料焼土)20キロ×5袋
中苗苗代肥料1.5キロ
くん炭を肥やし袋に1.5袋分
撹拌5分程度
箱詰め、均ししてこの一セットでおおよそ35箱くらいがつくられる。
くん炭は半日ほど近くにいてかき混ぜながらやるものの、
水を上手にかけないと火は完全に消えず、
つい見誤り、下の方でくすぶり、翌朝には灰が出てしまう。
3月にこつこつと雪を割った田を一回耕起し、苗代をつくる。
田打ちをして数日後、土が落ち着いてから畝づくりを始める。
ビニールひも張った跡を特製の鎌を引いて形を決める。
通路分の土を中に掘り上げて、
万能ぐわで細かくし、平鍬で叩き均す。
水を入れて高さを均す。
万能ぐわに再び持ち替えて高い土を低いところに投げる。
鍬で均しながら、更に低いところはたまに通路からべとを取って高く調整する。
山中の小さな巨人(?)フミオさんとの二人作業。
苗代は雪割りに入れて一番に田を出せるところ。
日当たりが良く、水のかかるところ。
かつては別の苗代だったが、
今は300~400箱を一人二人で軽トラで運ぶのが大変で、
軽トラの乗り付けと下ろし作業を加味してこの田んぼに替えたという。
陽もちょうど良い角度に刺して田とマサオさんを照らす。
なんだかすごくいいなあーと趣を感じた俺は、ここでたたみかけるように、
風土を感じる言葉を引き出そうと思い、
「均すためのその板は何か呼び名があるんですか?」とやや打算的に質問をしたが、
均すことに一所懸命なマサオさんからは「板。名前はない」と夏目漱石的答えが返ってきた。
水と風の音だけが静かに鳴った。
後日、手押しのマシンで播種(1回)&覆土(3回)された350枚たち。
ワリフと有孔ポリかけて10日間くらい。
3センチくらいになった頃、朝~夕方までポリを外して外気に慣らす。
農協の苗よりも疎植でがっちりとつくられる分、
一反に25枚(植え付け22枚+植え直し数枚)を見るという。
実際、買う苗ならば半分近い枚数で済む。
マサオさんの言う「太く、短く、ずんぐりした苗」が一本ずつたしかにつくられる感が
ふたしかなワタシにも見て聞いて触れて伝わってくる。
4月24日。
苗づくりの合間に頼んでマサオさんに同行してもらい、
「町外者の無断山菜とりを禁ずる」看板立て。
春先の区長仕事の一つ。11カ所ほどを回る。
看板の効果がどれほど抑止力になっているのかはわからない。
「ゴミ捨てるなと一緒で、この先に山菜ありますって言ってるようなもんだ」という人もいる。
かけやで看板を打つ傍ら、
すでに無断山菜取りの車が遠慮なしにあちこち停められている。
ここらもどこでもそうだけど、断りなく山に入って採取するのは犯罪です。
せめてもの譲歩としてその日の晩に家族で食べる程度、などに踏みとどまってほしいが、
「自分だけは大丈夫」精神が逸脱していくために、時として諍いが絶えない。
温厚な山中の人らだって陰で様々に困っていて、
「自分だけは」の車が時に田畑に行く道をふさいだり、
ゴミを置いて去ったりあちこち荒らされたり、途方に暮れている。
とはいえ巡視する余力もとうになく、時期的にも忙しくなる季節で、
山の内側と外側とで、どのようにしてスムーズに「断り」をやり取りし、
お互いに折り合いをつけていくことが可能か。
内側としての我らも無い知恵をもう一度絞り直して、
何らかの表現方法を考えたり、試していくことが肝要かと思われる。
しかし途方に暮れてしまう。
4月28日。
新年度初めての上納をし、区費17万円を預かった。
上納自体は朝の一時間程度なものの、
初めての請求やら農協への提出書類取りまとめなども重なって、
何も段取りがわからないためにあちこち奔走し、公民館からいっこうに帰れず苦心した。
4月の会計の書類はいまだ書いていない。(5月17日現在・・・)
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マサオさんの苗づくりを、
ハザマ君に体験(手伝い)してもらった。
その傍らで俺も手伝うフリをしつつ、
門前の小僧のように、育苗の仕方を聞いて学ぶ。
育苗床土(無肥料焼土)20キロ×5袋
中苗苗代肥料1.5キロ
くん炭を肥やし袋に1.5袋分
撹拌5分程度
箱詰め、均ししてこの一セットでおおよそ35箱くらいがつくられる。
くん炭は半日ほど近くにいてかき混ぜながらやるものの、
水を上手にかけないと火は完全に消えず、
つい見誤り、下の方でくすぶり、翌朝には灰が出てしまう。
3月にこつこつと雪を割った田を一回耕起し、苗代をつくる。
田打ちをして数日後、土が落ち着いてから畝づくりを始める。
ビニールひも張った跡を特製の鎌を引いて形を決める。
通路分の土を中に掘り上げて、
万能ぐわで細かくし、平鍬で叩き均す。
水を入れて高さを均す。
万能ぐわに再び持ち替えて高い土を低いところに投げる。
鍬で均しながら、更に低いところはたまに通路からべとを取って高く調整する。
山中の小さな巨人(?)フミオさんとの二人作業。
苗代は雪割りに入れて一番に田を出せるところ。
日当たりが良く、水のかかるところ。
かつては別の苗代だったが、
今は300~400箱を一人二人で軽トラで運ぶのが大変で、
軽トラの乗り付けと下ろし作業を加味してこの田んぼに替えたという。
陽もちょうど良い角度に刺して田とマサオさんを照らす。
なんだかすごくいいなあーと趣を感じた俺は、ここでたたみかけるように、
風土を感じる言葉を引き出そうと思い、
「均すためのその板は何か呼び名があるんですか?」とやや打算的に質問をしたが、
均すことに一所懸命なマサオさんからは「板。名前はない」と夏目漱石的答えが返ってきた。
水と風の音だけが静かに鳴った。
後日、手押しのマシンで播種(1回)&覆土(3回)された350枚たち。
ワリフと有孔ポリかけて10日間くらい。
3センチくらいになった頃、朝~夕方までポリを外して外気に慣らす。
農協の苗よりも疎植でがっちりとつくられる分、
一反に25枚(植え付け22枚+植え直し数枚)を見るという。
実際、買う苗ならば半分近い枚数で済む。
マサオさんの言う「太く、短く、ずんぐりした苗」が一本ずつたしかにつくられる感が
ふたしかなワタシにも見て聞いて触れて伝わってくる。
4月24日。
苗づくりの合間に頼んでマサオさんに同行してもらい、
「町外者の無断山菜とりを禁ずる」看板立て。
春先の区長仕事の一つ。11カ所ほどを回る。
看板の効果がどれほど抑止力になっているのかはわからない。
「ゴミ捨てるなと一緒で、この先に山菜ありますって言ってるようなもんだ」という人もいる。
かけやで看板を打つ傍ら、
すでに無断山菜取りの車が遠慮なしにあちこち停められている。
ここらもどこでもそうだけど、断りなく山に入って採取するのは犯罪です。
せめてもの譲歩としてその日の晩に家族で食べる程度、などに踏みとどまってほしいが、
「自分だけは大丈夫」精神が逸脱していくために、時として諍いが絶えない。
温厚な山中の人らだって陰で様々に困っていて、
「自分だけは」の車が時に田畑に行く道をふさいだり、
ゴミを置いて去ったりあちこち荒らされたり、途方に暮れている。
とはいえ巡視する余力もとうになく、時期的にも忙しくなる季節で、
山の内側と外側とで、どのようにしてスムーズに「断り」をやり取りし、
お互いに折り合いをつけていくことが可能か。
内側としての我らも無い知恵をもう一度絞り直して、
何らかの表現方法を考えたり、試していくことが肝要かと思われる。
しかし途方に暮れてしまう。
4月28日。
新年度初めての上納をし、区費17万円を預かった。
上納自体は朝の一時間程度なものの、
初めての請求やら農協への提出書類取りまとめなども重なって、
何も段取りがわからないためにあちこち奔走し、公民館からいっこうに帰れず苦心した。
4月の会計の書類はいまだ書いていない。(5月17日現在・・・)
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by 907011
| 2015-05-07 05:05
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