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山中記

最後の田植え。

山の本来の「暦」を使いこなすマサオさんが、
田植えを終えたのが先週。

昨日。
山中最後となる田植え(場所の離れた2枚)を”ごすけ”のハルキさんが、
「え?今日何かあった?」というようなさらりとした顔で終えていた。

この前あった時は、「う~ん、月曜にでも植えようかな~」といい、
その前にあった時は、「草刈りが田植えを追い越して終わった珍しい年だ」と笑い、
さらにその前にあった時も、
「ばあさんが苗にまだ水くれしてるしねえ、植えようかねえ」と一服しながら話してた。

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バイクで夕方”ごすけ”の田植え後を見に行き、
「う~ん」としばし唸った。

土曜日に仙田の高倉集落に行って山を見ながら話していた時もそうだったけど、
近頃とみに、キヨシさんが本来の「暦」の重要性を語り聞かせてくれる。
「ナオキ~、今だぞ~、ほんとは今植えるんだぞ~!」と。

田植えが「遅いこと」が小馬鹿にされるというか、
「早くないこと」「終えてないこと」がまるで劣っているかのように見られる風潮に、
キヨシさんは警鐘を鳴らし、吠える。
「いいか、勘違いしてもらいたくないんだけど、
 お前ったのところのマサオさんのその暦が本当なんだぞ。
 他のやつらが早く植え過ぎているだけのことなんだぞ~」。
(べつに吠えてないけど)

俺はまたもバイク上でう~んと唸りながら、
”センノウ沢”の復刻田に水をかけて座り込み、静かに眺めながら、
「来春、苗づくりの実験をはじめてみようかしら」、と企む。

とにもかくにも自分の苗がつくれないことには、
山中固有の「暦」(ともするとそれこそが本来の「山中時間」と言えようか)に寄り添うことはできない。

昨日、春日農機に久々に会った(イサオさんトラクターにも再会)ので、
”どうめい”父ちゃんがしばしば口にする、「ともすると」が感染(うつ)るんです。

2017春先育苗。
種籾をいかにするか、購入分と自分で「筋」を継ぐ分と。
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山中に来てから毎年夢遊病のように
ふらふらと継続してきた「柿の葉茶」を啜るAM2:20。
柿の葉茶はここの日記にもすでに何度か登場している。
(下の検索昨日で柿の葉と入れたら5回も書かれてあった)

昨夜は上がり酒に梅酒を久々に飲んでみた。
家人が
「疲れてると梅酒がうまく感じるのではないんですかどうなんですか?」と
半ば教えられ半ば詰問されるかのように言われたので、
飲んでみれば、たしかにおいしく感じた。

そういえばおとといに義父ミチヒロさまと話ながら、
何の気なしに目の前にあった完熟梅をもいでかじっていたら、
これも酸味がきつくてうまかった。

毎冬に何かに触れて書いてますが、
特に寒い時期に味わうポン酢が好き過ぎて、
俺の前世、ポン酢の蓋かなんかだったのでは、といつも妄想する。
「ポン酢を冷やで味わう」と書きかけたものの、誤解を招く表現なので自主規制。
サイバラさんの『ぼくんち』のなかに、
大雨の川で流されるあばら家を見ながら、
こどもに醤油をなみなみ注がせて吞むおっちゃんがいたなあ。

ちなみに、梅酒炭酸を一杯飲んだあと、
次は梅酒を焼酎で割ったものを飲み、
それが次第に梅酒の焼酎割増し炭酸の梅酒抜きとなり、
炭酸水もやがて水となり、結局ただのいいちこ水割りに転じて、
最後はウイスキーロックをなめているうちに寝落ちしていた。

起きた方の自分はうちの周りの茶葉を煎じ飲む。

久方ぶりにまとまった恵みの天水。
これで小雪をカバーする降水が累積されて、
次の冬の豪雪は一雨ごとに避けられていく。
降雨がつじつまを合わすようにして、来たる雪を加減していく。
手繰ろう、本来の暦「山中時間」の学び方を。

 * * *

カッパ着て草刈りor外遊。

違う、今日28日は朝7時から「上納」の儀の日だった。
村の人らの山中時間では、6時半から皆わらわらと公民館にやってくる。
区費もらい、5月からたまった会計書類を処理しながら農協へ。
第二の矢」の申請書類もつくり、急ぎ放たねば。

・・・外遊にワタシはゆきたい。


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by 907011 | 2016-06-28 02:46 | Trackback