偏愛。
明日。
山中住民と市内からの通い作の人たち総出で、
真夏の山道普請2016の開催(と盛大な打上げ)を控えているものの、
7月もじつによく働いた一ヵ月間だったと我が事ながら振り返って思う。
今春夏。田んぼ作業のまにまに6種類の豆をまいた。
その2番手である、5月播種の”湯上り娘”との逢瀬を、この頃重ねている。
後ろには”越後ハニー”が控えている。
思えば、
「女」性が固有する柔かさ、もしくは思考の現実主義的な(良くも悪くも)ところから、
おそらく、自分の男性としての感性や思考が形成、育成されてきたのだろう、
と何かの節目になるとよく思い出し、考えることがある。
鋳型と鋳造みたいで、
男の思考なんぞは逆に理想主義のなかに生きる節があり、
観念だとか哲学だとかに意味を探して何とか折り合いをつけて暮らそうという面が少なくない。
どちらにおいても、「昇華」の仕方の差異があって、
そこら辺がまた落語的に面白いのだと思う。
昇華の仕方は本当に人それぞれ。
怒りエネルギー発散型もいるが、
自分が憧れるのは、自分の脳みそがブラックボックスみたいになって、
イライラをおよそ形の異なるユーモアに昇華させて吐き出す型だ。
何れにせよ誰にせよ、
男というどう仕様もない生き物は、
人生の節目ごとに空間や時間を共にする女性によって自己形成されていく、と思う。
陰も陽もひっくるめて、それは母親との関係性からの相似形だろうとも思う。
* * *
異性から豆に話を戻せば、とにかく今年はテイスティングを重ねてみて、
自分が好きだと思う品種を選んで、
それをつくっていくにはその他の作業と時期的に並行できるかどうかを計る。
「山中は豆」と集落内外の皆から言い続けられてきた。
考えることも掘り下げつつ、枝豆のテイスティングには口をすすぐビールが欠かせない。
山中~仙田(十日町市)の旧トンネルにつながる道から、
ツキヨメの田んぼをのぞむ。
写真真ん中に小さく連なりが見えるか見えないかしている(見えない、か)のが、
不肖ワタシのツキヨメ田んぼの始まり。
一枚目は無農薬・自家鶏ふん・はさがけの”山中米”コシイブキ。
現在、穂が乱舞するかのように出、白い小さな花を咲かせている。
コシイブキだけかと思ったら、早いものからコシヒカリまでも出穂を開始した。
ここからツキヨメ沢20枚・・・、の田の真中ら辺にツキヨメ温泉が汲める。
ツキヨメ温泉を山中の薪で沸かし、
水の音やカエルどもの声を聞き、
星空の下でビール片手に、
花鳥風月を感じながら入る五右衛門風呂というのがしみじみ善いものです。
* * *
超朝型で各種書類や報告連絡相談事項etc.をし、
明ける4時半から草を刈る。
無事にあと3枚ほど刈れば、晴れて
3圃場横断草刈り行脚36コースの旅(2周目)が一先ずの終りを迎える。
明日の道普請前、というのは今日しかないということでもあるけど、
春の道普請で倒木を薪ストーブ用に路肩に積んでもらったままなので、
今日中に伐らねば。
玉切りして運ぶのは明日考えよう。
上の”ごすけ”の家が玉切りした木をあちこちでくれるというので、
今冬の薪事情も棚ぼたで何とかなりそうな光が挿してきた、気がする。
* * *
異様に暑い時間帯がある。
あるいは先般の長雨でどうにも仕様がねえなあという時などに、
俺はしばしばお隣の”せった”地区をうろうろ徘徊する。
上記した仙田トンネルからさらに南下して、
山中の西南部をなでながら見上げるように、
私的にじつにしみじみ何とも美しい渓谷があり、
「こんな所でどうやって生活してるんだ?」という集落たちが続く。
(おそらくですが、向こうも山中などを見て同じセリフを言ってるかもしれない)
とくに雨降りの時、軽トラの車窓からうっとりとあちこちの岩肌を眺める。
先日、高倉集落に門出のキヨシさんに同行した際、
「ここがいい崖してるんですよぉー」と口走った自分がやっと気付いた。
みうらじゅんさんのお陰で、
俺は自分の無意識から成る、単なる”惚れぼれする崖”眺めが、
可視化されたというか、言語になって産まれて、
そうして、自分が暮らすこの辺りでもって、ちゃんと「出会えた」のだと思った。
***********
山中住民と市内からの通い作の人たち総出で、
真夏の山道普請2016の開催(と盛大な打上げ)を控えているものの、
7月もじつによく働いた一ヵ月間だったと我が事ながら振り返って思う。
今春夏。田んぼ作業のまにまに6種類の豆をまいた。
その2番手である、5月播種の”湯上り娘”との逢瀬を、この頃重ねている。
後ろには”越後ハニー”が控えている。
思えば、
「女」性が固有する柔かさ、もしくは思考の現実主義的な(良くも悪くも)ところから、
おそらく、自分の男性としての感性や思考が形成、育成されてきたのだろう、
と何かの節目になるとよく思い出し、考えることがある。
鋳型と鋳造みたいで、
男の思考なんぞは逆に理想主義のなかに生きる節があり、
観念だとか哲学だとかに意味を探して何とか折り合いをつけて暮らそうという面が少なくない。
どちらにおいても、「昇華」の仕方の差異があって、
そこら辺がまた落語的に面白いのだと思う。
昇華の仕方は本当に人それぞれ。
怒りエネルギー発散型もいるが、
自分が憧れるのは、自分の脳みそがブラックボックスみたいになって、
イライラをおよそ形の異なるユーモアに昇華させて吐き出す型だ。
何れにせよ誰にせよ、
男というどう仕様もない生き物は、
人生の節目ごとに空間や時間を共にする女性によって自己形成されていく、と思う。
陰も陽もひっくるめて、それは母親との関係性からの相似形だろうとも思う。
* * *
異性から豆に話を戻せば、とにかく今年はテイスティングを重ねてみて、
自分が好きだと思う品種を選んで、
それをつくっていくにはその他の作業と時期的に並行できるかどうかを計る。
「山中は豆」と集落内外の皆から言い続けられてきた。
考えることも掘り下げつつ、枝豆のテイスティングには口をすすぐビールが欠かせない。
山中~仙田(十日町市)の旧トンネルにつながる道から、
ツキヨメの田んぼをのぞむ。
写真真ん中に小さく連なりが見えるか見えないかしている(見えない、か)のが、
不肖ワタシのツキヨメ田んぼの始まり。
一枚目は無農薬・自家鶏ふん・はさがけの”山中米”コシイブキ。
現在、穂が乱舞するかのように出、白い小さな花を咲かせている。
コシイブキだけかと思ったら、早いものからコシヒカリまでも出穂を開始した。
ここからツキヨメ沢20枚・・・、の田の真中ら辺にツキヨメ温泉が汲める。
ツキヨメ温泉を山中の薪で沸かし、
水の音やカエルどもの声を聞き、
星空の下でビール片手に、
花鳥風月を感じながら入る五右衛門風呂というのがしみじみ善いものです。
* * *
超朝型で各種書類や報告連絡相談事項etc.をし、
明ける4時半から草を刈る。
無事にあと3枚ほど刈れば、晴れて
3圃場横断草刈り行脚36コースの旅(2周目)が一先ずの終りを迎える。
明日の道普請前、というのは今日しかないということでもあるけど、
春の道普請で倒木を薪ストーブ用に路肩に積んでもらったままなので、
今日中に伐らねば。
玉切りして運ぶのは明日考えよう。
上の”ごすけ”の家が玉切りした木をあちこちでくれるというので、
今冬の薪事情も棚ぼたで何とかなりそうな光が挿してきた、気がする。
* * *
異様に暑い時間帯がある。
あるいは先般の長雨でどうにも仕様がねえなあという時などに、
俺はしばしばお隣の”せった”地区をうろうろ徘徊する。
上記した仙田トンネルからさらに南下して、
山中の西南部をなでながら見上げるように、
私的にじつにしみじみ何とも美しい渓谷があり、
「こんな所でどうやって生活してるんだ?」という集落たちが続く。
(おそらくですが、向こうも山中などを見て同じセリフを言ってるかもしれない)
とくに雨降りの時、軽トラの車窓からうっとりとあちこちの岩肌を眺める。
先日、高倉集落に門出のキヨシさんに同行した際、
「ここがいい崖してるんですよぉー」と口走った自分がやっと気付いた。
みうらじゅんさんのお陰で、
俺は自分の無意識から成る、単なる”惚れぼれする崖”眺めが、
可視化されたというか、言語になって産まれて、
そうして、自分が暮らすこの辺りでもって、ちゃんと「出会えた」のだと思った。
電子辞書が普及したことの弊害に、
「隣の文字を調べない」ということがあります。
普通の辞書であれば、目的の言葉を探したとき、
自ずと隣の言葉が目に飛び込んできます。
「インフレーション」を調べたのに、
いつのまにか「陰茎」「淫乱」などを読みふけってしまった経験などは、
おそらく皆さんにもあるでしょう。
しかしその無駄な作業が、逆に知識を豊かにしてくれたものです。
私はこれを、「ぴあ現象」と呼んでいます。
インターネットのない時代、
映画やイベントやライブの予定や日時は、
情報誌の「「ぴあ」で調べたものでした。
あるとき、私が好きなミュージシャンのライブの日程を調べていると、
その隣に載っていたライブハウスの出演者に「キムチ前田」という名前がありました。
キムチ前田。
いまだに私はその名前が忘れられません。
そのとき、誰のライブに行ったのかを忘れているのに、です。
このように、本来の目的を調べているときに、
思わぬ何かが見つかるということがあります。
あるいは、何かを夢中で調べていたおかげで、
そこから派生してほかのものが好きになるということもあります。
その頃、TBSの朝の情報番組『はなまるマーケット」から出演依頼があったとき、
私が真っ先にしたことは、視聴者にグッド・クリフ情報の募集をかけることでした。
すると、「朝の番組に相応しくないし、意味もよくわからない」といった番組サイドの予想を裏切り、
何百というファックスが寄せられてきたのです。
主婦の皆さんのセンスは侮れません。
とうとう番組内のスペシャルコーナーとなり、
「いい崖出してるツアー」にもロケバスで出掛けました。
背中に「崖」と書かれた着物をまとい、
まだ新人アナウンサーだった安住紳一郎さんと共に
新潟県から山口県までの崖を一泊二日で巡る私の姿は、
「到底朝の放送とは思えない」と噂になりました。
(「好きなものが連鎖する~崖っぷち」から)
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by 907011
| 2016-07-30 03:43
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