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山中記

鶏の眠る間。


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一昨日。
ホーム・ツキヨメ沢の田植えを再開。
残りあと一枚でツキヨメ完了というところで日没。時間切れとなる。

今春に田んぼが始まった頃に、
「足が痛くてできなくなっちまった。」と地主が話を持ってきた、
大きな田んぼを昼前に植えていたら、
とにかく風の強いことにはどうにもまいった。

植えるそばから風であおられて浮いてしまう。
時々、風が吹いては停止して、また止んだら植える。
それにしてもだいぶ流されていて、申し訳ないと謝りながら凹みながら前へと進む。
ふと、これを「ウキウキ農法」と名付け、
なるべく後ろを振り返らないようにする。


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風に吹かれて、停まっている時間に感じたのは、
田んぼ一枚を植えるということは、
一枚の書をえいっと書く本番のようなもので、
ただし一年に一回きりしかできないということ、だった。
”田こしゃい”はその紙を漉く(整える)仕事。
そうすれば、田にとって水とは何だろうか。
稲姿を保持し、育てる水。
などと考えあぐねたところで風がやんだので進む。

山でする考えごとの時間、ときどきは過去の反省のような、
その時間が好きだ。

 * * *

昨日。
残った一枚を植えて、ツキヨメから田植え機が上がり、
田植え機の本来の持ち主である義父に会うべく、”オクサ”に凱旋。
6時半からイサオさんの苗をとりに石黒まで二台で2往復した。

消防の訓練があったそうで、朝から大部落・門出は
消防団の若手が佃煮にできるほど集っており、賑やかだった。

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昼寝20分で生まれ変わった午後。
やたらに暑い。
ちょうど植え終わった苗箱80枚を洗おうと段取していたので、
再びツキヨメ沢の奥の沢に下りると、なんとまあ
日陰で水の中に足を入れながら箱を椅子にして座って1時間くらいで洗えた。
「この気温、この時間帯にいちばん涼しく生産的に働けた。」と気を良くし、
一番最初に植えたこしいぶきの田んぼを4枚回って植え直し。

首がバキバキに痛くなりながら19時帰宅。
手植えの田んぼ(私的には一枚二枚だけでもこっちの方が愛着が強い)が残るが、
大丈夫か自分、と心配になる。
子よ、早く大きくなれ。米を食って大きくなれ。
なんならゴパンも買ってやっても良いから。

オクサには水がなく、これから揚水して、
残り3枚田こしゃいにケリをつけたい。





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by 907011 | 2017-05-22 04:26 | Trackback