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山中記

グーテー。

2日に渡って14時間半水を揚げてやっと最後の1枚が代かきできた。
あとは植えるだけ。
植えるだけと、植え直しだけ。
植えるだけと植え直しと、水管理。
植えるだけと植え直しと水管理と、草刈りだけだった、正しくは。

集落内では半数くらいが田植えを終えており、
「余り苗情報」がぽつぽつと舞い込んでくる。有り難い。
自分とこで使わせてもらったり、
引き取って他の農家に不足情報があればそっちに運んだりして、
できるだけ無駄なく上手く助け合えるようにまわしている。

水を揚げながら、「何万円の水買うことになるんだ、今年は?」などと、
バイクに乗りながら考え疲れ、
””ツキヨメ沢”と先納沢”の田(安心の沢の水)を見にゆく。

先納沢着いて早々に、目の前に
偶蹄目(ぐうていもく)ウシ科の野生ニホンカモシカが座っていた。
バイクで駆けのぼる道中に居てかなり接近してから気付き、
(頭が草に隠れていて、最初巨大な岩か何かかと思ったら尻だった)
しかしそれにしてもまったく動こうともせず、ただ座ったままだった。


グーテー。_b0079965_03450725.jpg
これはケガでもしたのかな、と様子をうかがい、
モーキンと同じパターンで昔話的にいつか困ったときに恩返しに現れてくれるやつだ、
と勝手に利己的に思惑を馳せ(猛禽もその後まったく現れてくれてないのに)、
カモシカも助けようと思い立ったが、
モーキンとは図体が違う。
あまりの迫力にあきらめてバイクをUターンして、
モーキン、そうえいば現れないよなあなどと考えながら帰った。

午後、田植え。
午前中の朝飯後がいちばん眠くなるというこの頃のパターン。
朝は元気、午後も昼寝のおかげかなんとか日暮れまでもつ。

来春、「その節はご心配かけまして。」などと言いながら、
グーテーが勝手に田打ちしてくれないだろうか。
利己的思惑は尽きない。

寒くなったら御地蔵さんに山傘をかぶせないと。
利己のため、逆算的に言えば、
助けるために、いじめられている亀を探しださないと。
鶴が何か手伝えるレベルの困りごとはないのか、
双眼鏡片手に張り込み、観察せねば。
現実逃避的煩悩にまみれて今日も暮らす。

上がり酒を飲みながら偽善的親孝行のため、秋田の宿をとり、
この日もヨモギ風呂に入ってよく殺菌されながら寝た。







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新緑写真&お気に入りのお出掛けスポット!



by 907011 | 2017-05-24 04:16 | Trackback