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山中記

たまの映画。

映画監督の小林茂さんが
『空腹を忘れるために』の報告会で話していた、
コーヒーの流通の話が一番ショックだった。

後進国で貧困層が低賃金重労働して集めるコーヒー豆が
スイスのネスカフェに渡り、嗜好品にせよ、インスタントにせよ、
豊かな者がカネと時間とニンゲンの精神の安定まで搾取する循環。

搾取する側は搾取される側を、
弱い者はより弱いものから奪う。
子どもたちが眠れない恐怖と空腹を「忘れるために」シンナーに依存する。

ニンゲンなんかいっそ淘汰されるべきだなあと少し鼻息荒く思ってもみた。
綺麗事ばかりを都合良く考えて、自分はスマートに暮らしてきたけど、
絶望が希望を上回りすぎてショックでした。
でもとりあえず生きることしかできないんだよなあ。
悲しくても食う、腹は減る。排泄する。
暗ければ明るくする。暑ければ涼しくする。寂しさを賑やかしで紛らわす。
私的な不快を、個人レベルの快に「治す」。

たまには、考えるべきことを考えてみるために、
現実を見られるように、
選ぶ力を養わないといかんなあと思った。

http://www.janjan.jp/culture/0609/0609240680/1.php



<ちいさなさなかは もっとちいさなさかなをたべ
 いのちはいのちを いけにえとして
 ひかりかがやく
 しあわせはふしあわせを やしないとして
 はなひらく
 どんなよろこびのふかいうみにも
 ひとつぶのなみだがとけていないということはない> (黄金の魚)
by 907011 | 2007-05-27 09:55