山中記

2017年 02月 27日 ( 1 )

1~2月の我ら。


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山中区長の仕事のなかで一番といっていいくらい極めてささやかなものの一つに、
毎年、市から配られる「ごみ収集カレンダー」に
竹の物差しをあてながら黒マジックで塗りつぶす(各戸分プラス公民館等に貼る分)という、
おそろしく眠くなるような地道なお仕事がある。
(雪でゴミ出す方も収集する方も大変だったり、世帯自体も少ないため。)

上記の通り、まったくいかなる筋力も知力も必要としないのに、
事実、眠たくなっては12月のところを消したりという、
地味過ぎて誰とも共有できないケアレスミスを繰り返し、
「いかんいかん」と首を振りながら、また次の一枚に挑み直すという、
事例としてはあまりに極端に地味ですが、
そんなことを、感情・表情ともに「無」になってしている稀なお仕事もあります。

 * * *

写真をよーく凝視してもらうとわかる通り、
1,2月の我らは燃えるゴミ以外、出せないので
各家にはなかなかの量のプラスチックおよびビール缶や酒瓶などがたまり、
(我が家も玄関や二階の開かずの間などにけっこうな量のそれらがひかえている)
雪が溶け、道が滑らなくなった頃、
各家からようやく大量のプラゴミおよび瓶缶たちをかついで
公民館の収集するところに、
それら冬の酒瓶たちが無事に解放されて、うず高く積み上げられていく様を見て、
あらためて、我らは「あー、春だねえ。」としみじみ感じ合う。

 * * *

あと、私的にはみうらじゅんさんの「地獄表」の話を思い出す。


<「即身仏」がマイブームだったので、山形の湯殿山に出掛けたときです。
目的地はまだ先でしたが、
私は間違ってバスを途中下車してしまいました。
失敗に気づいたのはその後です。
その路線は、1時間半に一度しかバスがやってこなかったのです。

 何もない山道に一人取り残されたら、
皆さんそうなると思いますが、私も相当腐りました。
しかしそのとき、ふと目に留まったのはそのバスの時刻表でした。
朝から夜までの時間が書いてあるのに、
バスがやってくるのは1日にほんの数回です。

 私はその時刻表を写真に収めました。
「こんなにこないバスってなんだよ!」というマイナスの気持ち、憤りからです。

 そして「こんなに待たされて、まるで地獄だな」と思ったときに、
ぱっと閃きました。
 この地獄のような時刻表を「地獄表」と呼んだら、見方が変わるのではないか?
 これは「ゆるキャラ」と同じ発想です。
マイナスのものを、名前をつけて面白がってみると、
自分の気持ちすら変わってプラスになる。
 それ以来、私は田舎町に出向くたびに、
「地獄表」を探し、写真に収めるようになりました。

すると不思議なもので、
1日に3~4本くるバスの時刻表が、物足らなくなってきました。
3本より2本、2本より1本、
なんだったらバスが1本もこないほうがいいとすら思えてきました。
(みうらじゅん『「ない仕事」の作り方』から)>


ちなみに、H29年度のカレンダーはまだ塗りつぶしてない。
(今回は家人が赤マジックで塗りつぶすように画策している模様)





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by 907011 | 2017-02-27 12:35 | Trackback | Comments(0)