山中記

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ウサギといえば。

「タコは足が早い」。

タコは傷みやすいという意味だそうで、
はじめて聞いたときは、
理解不能なままに「高速で逃げまわるタコ」を(勝手に)マンガのように想像し、
勝手に想像しておきながら、自らの想像の限界の壁にぶつかり、
「?」と混乱したものでした。


今干支のウサギ。

「ウサギは長く走れない」。
ウサギは短距離型なのだそうだ。

これは聞き売りの話で、いま家畜化されている「アナウサギ」という種の話だそうですが、
ウサギって、ぴょんぴょん飛び回り走り回ってそうなイメージがあるけど、
他のほ乳類に比べても心臓と肺、つまり心肺機能が高くなくて、
少し走ると、逃げるのをあきらめて止まってしまうそうです。

ただ、ウサギ(アナウサギ)はもともと地下に穴を掘って住む習性があるので、
そう遠くまで走らなくても、
巣穴までたどり着けば捕食の危険をまぬがれるから大丈夫、ということでした。


と、もう一つ。
ウサギの内臓は、胃腸が体重のうちの高い割合を占めていて、
その消化器系の働きを優先するために、心肺機能が弱めになったそうです。

 * * *

という、後者の話が印象的でした。

「割合」とか「配合」という切り口って、
誰しもに当てはまることでもあるなあと思って。
何を優先するか、
つまりは、何を大切にして生きているか。


小食ばかりが善いというわけではないにしても、
ニンゲンの消化と心肺を含めたその他の内臓、
もしくは、食べ方と健康状態って関係が深いですよね。


それと、
一人ひとりの人格、個性というのも、
この、ウサギが長く走れない話(と内臓の割合の解説)と似ているなあと思ったんです。

その時々の気分は、多様な感情からの配合のアンバイ(塩梅)。

個性もまた、配合のアンバイ。
独特の善いところも、個々の弱さも調合されてそういうようにできている。


 * * *


<覚えていることは言語化できる意識に属していて、
 忘れていることは言語化が難しい意識下に属しているんじゃないかな。

 つまり忘れたことは、覚えていることよりも
 深い心のどこかに保存されていて、
 それも自分をつくっている一つの要素だと考えたい。>
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by 907011 | 2011-01-07 05:53 | Trackback | Comments(2)

ドブログ。

冬にやっている味噌づくりの講座では、
まず参加者の皆さんに持参していただいたお米を蒸して、
米麹をつくるところからはじめます。
で、前回担当した際に余った麹をおすそ分けしていただきました。

ワタシはよく人からモノをいただく、ありがたい習性があって、
同じく、年末のとある時に、とある方面からどぶろくをいただきました。

昔、働いていた出版社の方からは、
ヤミ米商・川崎さんのドブロク本をいただいたことがありました。


その他、ご縁のままにいろんな恩恵が集まって、
ナニガシカのアレをこうして、すったもんだ炊いただのかもしただのして
秋田に帰省していたら”自酒”ができてました。

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発酵は、面白い。

味噌でも酒でも、その熟成の過程において、
ニンゲンができる役割って「ほんのお手伝い」くらいなものでしかなくて、
手術するドクターの汗をささっと拭くような、心もとない心境(やったことないけど)。

だからこそ、
目に見えない主役たちの活動を、
こんなに力強く、それでも身近に感じられることが面白いと思うんです。


もちろん、勝手にできたシロモノなので、
勝手に蒸発してくれるのを待ちたいと思います。
蒸発が待ち遠しいです。


<「他人に迷惑かけず、好きな酒を自分で作るのを禁止する酒税法は、
 セックスは売春宿でさせて自宅ではするなというのと、どう違うのか」>
(川崎磯信『正しいドブロク「役人ごろし」の作り方』)
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by 907011 | 2011-01-06 12:41 | Trackback | Comments(0)

呼吸のしかた。

今年も無事に秋田で年を越してこられました。

30日昼。
まだ実家に戻る途中の乗り換え待ちの秋田駅で、
田沢湖ビール飲み放題1時間に挑んでから、酒の息で帰省。

以後、帰りの電車まで食べ飲み続け、今年もやっぱり肥えた。

とにかく酒をすすめられる。
朝起きると、親にビール飲めばといわれ、
夜もジョッキが空いてくるとそれはいけないすぐに注文しなくてはいけないと促される。


ただ、年が経って歳を重ねるにつれて、
秋田に居る時間、すーっと秋田人の気分となる。
生まれ育った土地なんだなあと実感するようになったのは、
故郷ではない日常で、離れた時間を重ねているからだろうか。


特急いなほから切れ切れにのぞいた日本海はいつも見るよりもどこか広くて、
ひさびさに姿を見上げた鳥海山はどーんと大きかった。


いま大概の人はみんな生まれた土地と、出た先の二ヶ所の環境を持っているのだなあと
なおも酔っぱらいながら、ふっと思った。

住処から一歩出ることも含めて、
人が生きるということは、内と外とを行き来することだろう。



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生まれ育った土地の言葉。
気楽に、多すぎず、少なすぎずのフレーズで、
自分の気分を共有することができるもの。

それは、呼吸の仕方にも似ている。
方言っていいなあと実感しました。

魚へんに神と書いて、鰰。
卵のたっぷりつまったハダハダ(はたはた)はやっぱり美味しい。


と書いて、帰省と酒飲むこと以外は、ほぼ何もしなかった冬休み。
外へ動くこと、人を見ること会うことがひじょうに億劫になってしまった。
鶏は可愛く、風呂読書は善い。

というわけで、坊主になり、ヒゲをそり落とす。



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今年は環境が変わる年。
冬は相変わらず弱りますがよろしくお願いします。
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by 907011 | 2011-01-05 06:25 | Trackback | Comments(2)