山中記

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"Go Local!"

映画館に行く機会がここ数年少なくなった。
その代わりなのか、いろんな地方で行われる上映会の情報がより目につきやすくなった。

今年一番印象的だったのは、夏に長岡の映画祭で見た『森聞き』で、
珍しくも、いろんな人に「これは見るべき!」と鼻息荒くしながらオススメしている。

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新潟のシネウィンドでもやるみたいなのでぜひもう一回見たいなあと予定していて、
いつか上映会をしてみたいもんだなあなどとたまに話してもいます、鼻息荒く。

山で一人いる、圧倒的に静かな時間を、
いろんな過去のことを思い出しては考えて、「反省する時間」と話した、
秋田弁のじいちゃんが私的にもっとも印象的でした。


 * * *


おととい22日は映画サービスデーだったので、
久しぶりに十日町に出て『幸せの経済学』を見てきた。

この映画も各地域で上映が展開されているのが納得できる内容でした。
テーマはローカリゼーション。
地産地消を、大企業による大規模流通などと比べながらテンポ良く考えさせてくれる。


観終わって感じたことは、
悩める現場こそが皮膚なのだなということ。

問題は多様にあっても、一つ一つはその場そのヒトその環境で異なっていて、
それは似ていないようで似ているし、似ているようで似ていない。

皮膚が異変を感じ、問題に迫られて、その対応を手探りする。
寒さも染みるし、火傷もする。
でも、皮膚の感覚によって、問題ははじめて思考に結びつくし、
寒さ暑さに感覚が反射することによって、思考もまた現象とつながるものになれる。
思考だけではただの幻想で終わる。

悩める先進地は、同時に、
その問題を考え抜いていくための、もっとも先端にあるのだなあと感じました。

だからどうしたらいいものやら、
薄っぺらい皮膚としての自分は、しびれたり麻痺したりばかりしてますが。


 * * *


26日土曜日は、自然農や建築講座でお世話になった夢の森公園の、
「夢の森フォーラム」に参加してきます。

それにしても毎年取り扱われるテーマが素晴らしい。

第7回 ゆめのもりフォーラム 2011
~今、世界を席巻するトランジション・タウン運動の事例から学ぶ~
http://www.yumenomori-park.jp/program/general/2011/meeting11.html

話し合いは苦手なのでついつい腰が引けてしまいますが、
まずは「自分とつながること、自分との関係性を変えること」を学んでこようと思います。
当日一緒に参加できそうな方はぜひ(参加費無料・要予約)。


ときに、『森聞き』もぜひ!

予告編

おそらくアナタは山の生き方に触れたくなるでしょう。
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by 907011 | 2011-11-24 07:58 | Trackback | Comments(2)

チェックシート。

ここ一カ月ほど西山に通う日々で、うちでは晩酌して寝るくらいだったので、
まだ畑の片付けも進んでいない。
玄関や家の周りにはゴーヤや朝顔のツルが絡んだまま。
タマネギもまだ植えてない(苗が太らない)。
鶏園を片付けてない。
床の入れ替え、鶏ふんづくりをしてない。
もみ殻を畑のあちこちに播きたい。
こたつを出してない。
家も散らかっている。
干し柿つくったらカビでやられた。
ついでに一つ前の日記もまだ書ききれてない。
毎年寒くなると体重が5キロくらい増える。春になると戻る。
靴下によく穴があく。
真っ直ぐな線が引けない。
眠りが浅い。
カッパのチャック(=雨具のファスナー)が壊れたままだ。
「カッパのチャック」は気さくそう(想像上のいきもの?)。

そんなもろもろ(一部無関係)の「まだ」や「~なのに」が頭の中でサイコロのように回り続ける。


昨日、雪が降った。
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しんしんと降る雪は好きだ。
綺麗だなあとも思う。
しかし、冬は弱るので苦手だ。
昨夜は20時に寝た。
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by 907011 | 2011-11-22 06:59 | Trackback | Comments(0)

農家林家

始めに日当たりを好む陽樹が生える。
陽樹林が成長すると徐々に日の当らない部分ができる。
そこに日差しが弱くても成長しやすい陰樹が育ってくる。 

陰樹林を経て、最後は適度の湿り気をもった豊かな土壌の上の木の群落に落ち着く(森林)。
この最終段階のことを極相(クライマックス)といい、
この段階に到達した森林は一応自然の完成した極相林と呼ばれる。
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<都会の真の水源地は、琵琶湖とか矢木沢ダムなどではなく、
 その大きな受け皿に水を注ぐ周りの山々>

「1本のブナは1反部の水田を潤す」という言葉がある。
水が無い、とため息をついても意味はない。

清々しい(と自分は思った)作業を教わりながら、
しかし現地に出る前の講習では、林業が直面している現実を次々に聞かせてもらう。

<川上=植栽、保育、間伐、造材
 川中=製材所
 川下=使う側(建築など)
流域の上から下までの「三方良し」にならなくては林業として続かない>

<外材の占有率が7割弱、
 つまり国産材の自給率は3割弱です。>

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木は空気中の二酸化炭素を取り込んで、成長していく(CO2の固定化)。
例えば住居の柱などとして燃やさずに永く固定化すれば望ましい。

地下深くから掘って、海を越えて運んで、燃やせば無くなる石油と異なり、
森を保育し、木を燃料にすれば、CO2は循環が描ける。
「林はあるだけじゃ駄目。手を入れて保育しないと駄目」

・雪起こし
 積雪地帯では、毎冬の積雪によって植栽木は倒伏する。
 雪解けにしたがって若い木は自力で起き上がるが、成長とともに起き上がりにくくなる。
 植栽木は2m位までは自力で起き上がるが、曲がりの影響が少しずつ蓄積され根元曲がりとなって、
 木の形状に現れる。これを小さくするための作業。
 その地域の最深積雪深の2.5倍くらいまで成長すれば、ほぼ雪を抜け出る。

 * * *

枝打ちは何をつくるかという目的別に不要な枝を切る作業。
落とさずに枯れた枝があると、その節は板にした場合に穴になってしまう(死に節)。

間伐。
機械化は効率的だが、木を選ばない。
効率化を優先した結果、木の良し悪しを選べない。

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足場の悪い山の中で伐採木等重量物を取り扱う林業の労働災害の発生率は、
全産業の中でダントツに高い、そうです。
(かつてはダム工事と並ぶワースト1位だったが、その後ダム工事自体が減少)
今も50人ぐらいの林業従事者が一年に亡くなっている。

全産業で加入している「労災(労働者災害補償保険)」。
労災保険の支払い率は85.8%(平成18年)だが、
林業の支払い率は、じつに476%!
(ちなみに事務系の労災支払いが2~3%だそうです)

林業は事故が減らない。
研修で習うような基本の動作を守ることが、事故をゼロにする方法。
だが、現場ではスピードが優先されるため、基本を守ることは難しい。
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チェーンソーは目立てに始まり、目立てに終わる。
一服は手入れの時間。

 * * *

木の名の由来
スギ
「杉、木直ナリ、故スキト云、スキハスク也。直木(スクキ)」 (貝原益軒『大和本草』)


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かつての百姓の生き方にあこがれながら暮らしていれば、
木のこと、今でいうエネルギーのことは、生活をすることと同時並行で学んでいける。

「エコヴィレッジ」、「パーマカルチャー」などを、日本語(昔の言葉、土地の言葉)へ翻訳すること。
その土地、自分の環境に溶かしていくことができれば、それで良い。
古いもののなかに新しいものがある。
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山村の現状
<農山村の家は、地元の人が住めないから空き家となっている。>
<都会の、面倒くさい人間関係から解放
 『のんびりした田舎暮らし』、ではない!>

自分の殻をいかに壊せるか。

 * * *

生き方や知恵を、”街”へ売る(もしくは交換する)。

自分がどういう風に生きていきたいか。生きてみたいか。
たとえ今がまだまだの状況であっても、
それでも自分の「生き様」は、村の人に語り続けていくこと。

<いま、日本の林業は森へ向かう人たちへ生き方を提案できる”売れる産業”になっている>
農林業は、今から「提案」できる時代。
外国のグリーンツーリズムもそうして起こった。

<日本中を見渡しても、生き方を売れる産業というのは、わずかしかないだろう。>
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山仕事(林業作業)は、四季折々の自然を浴びながら作業を行う。
しかし、それぞれの作業は1年に1度しかない。
1年目は指導者の指示、指導のまま
2年目は1年目のおさらい
3年目になると「自分はこうしてみよう」との心の余裕と、山で働く身体ができあがる。
だから、山仕事に身体が慣れるのには3年はかかる。

「慣れろ。飛び込んで、盗め」
本当に急ぐ作業なら、指示は細かく出る。
それ以外は自分で考えてから聞く。
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by 907011 | 2011-11-20 07:16 | Trackback | Comments(0)