山中記

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ある夕。

雪の道を家へ。

ゆっくり歩いているとたいがい何がしか考え事をする。
ただでたらめに曖昧なことばかり考えるので
結局のところ考え事は進展しないまま玄関に着く。

18時の無線を聞きながら風呂に入り、
ならばと「考えること」を考えてみる。
考えるということは、まだまとまってない考え事があるから考えるわけで、
もし、自分の中で100%確信が持てることや絶対的な決まりごとならば
ふと思い出したり確かめる程度で事が足りる。

考えることがあるから考える。
それが何であれ、
(その人以外の)その人を取り巻く世界にとっての何であっても、
その人にとっては、「考えたいこと」なのだなあと他人事のように考えたりしていた。


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山中でこの冬二人年寄りが亡くなった。
つい先日、長岡の仕事でお世話になった方が亡くなったという連絡を突然もらった。

もう話せなくなった人のことを想うことは、
ないものとあるものを行き来すること。

だからまた雪の道を歩きながらとぼとぼと考える。

「想う」ということは、
考えられない途方もないモノを考えることじゃなくて、
思い浮かびもしない人を浮かばすことでもなくて、
何とも替えようが無い存在や時間を想うこと。

適当に強過ぎず、途切れず、生きているからふと想い出す。



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by 907011 | 2013-03-23 21:11 | Trackback | Comments(6)

内山節さんの講演会をします。

2月。
高柳雪まつりの仕事などであわあわとした毎日を過ごしてましたが、
今年の雪まつりは天候が荒れて(前日に豪雪災害救助法が適用)、途中でやむなく中止となりました。
豪雪はどうにかしのげても、あそこまでの風には勝てないのがイベントかもしれません。


先週。
一転して好天が続いたので屋根に上がってました。
2日ほどかかって屋根に厚く積もった雪は片付き、そのぶん家は雪に埋まりましたが。


金曜。
夜に、高柳町地域協議会の開いた、
「U・Iターン座談会」がコミセンであったので参加。
テーマが「冬の楽しみ」だったので、冬に弱る自分などは及び腰になりかけましたが、
つい先日、門出に移住したヤマさんなども居り、やはり刺激を受けました。

楽しかったもので、誘われるままに役場隣にある呑み屋にもしっかりと付いていき、
「あー、春だなあ」などと一人感慨深く思ったりしてました。
このような地に移住してくる人というのは、とりわけ変わった人が多いので、
変わり者好きとしてはじつに面白いです。
多様な表情があり、ものの見方もそれぞれに豊かで感心します。



今週。
昨年度に引き続き、今年も哲学者の内山節さんを高柳にお招きして講演会が行われます。
今回の演題『村の営みからは、深淵な世界が見えてくる。』や、
昨年度の『日本の「むら」から未来を想像する』というテーマにあるように、
農村文化を哲学するというひじょうに興味深い話です。

今年は、3月8~9日の二日間に渡る日程で、
また、講演の後かやぶきに移動してお酒を飲みながらの会も予定しています。
ゆるくて、深くて、熱い話になるだろうと思います。

ちなみに、講演は両日とも入場無料なので気軽に高柳へ来てみてください。


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(前回のmemoより)

・人々はお金の奥にあるもの(価値や信用)とやり取りしていた。価格だけではなく。

 例えば、産地直売でのやり取り。
 商品価値だけじゃなく、やり取りは動き、お金は儀礼としてのもの。
 自分勝手な価値基準なら、交換(共有)できない。

 今日、全ての価値は「お金」に置き換えられるようになった。一元化された。

(「地域における価値交換と価値共有」)


* * * * *


・日本の「社会」というのは生きている人間…、だけでなく自然と死者とを構成メンバーとしている。
 生者と、死者と自然が社会(村)を構成している。

 地域づくりは人ではなくて、関係の話。
 「個人」じゃなくて、「関係性」。

 農村というのは、自然と関係して生きてきたから、
 地域と自然との関係が景観をつくった。
 設計されていない景観。その積み上げ。

 祭りや年中行事(その集落の死者や自然との関係を結びつけるもの)は、自治に含まれる。 
 自治や、自分たちの暮らす社会が見えにくくなったのが都会。

(「無事な社会をつくりだす主体は何か」)





■講師プロフィール
内山節(うちやま たかし)氏
1950年生まれ。哲学者。立教大学大学院教授。
1970年代に入った頃から、東京と群馬県の山村・上野村との二重生活をしている。
上野村では畑を耕し、森を歩きながら暮らしている。
現在、NPO法人・森づくりフォーラム代表理事など。
最新著書は『ローカリズム原論 ~新しい共同体をデザインする~』(農文協・2012年刊)。
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by 907011 | 2013-03-05 11:21 | Trackback | Comments(0)