山中記

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読まれないことで。

遅ればせながら昨日家人が味噌を仕込んだ。
(子を背負いながら監修)
今年は自分の米で麹をつくったことですし、
余った麹で久しぶりに自分酒をつくろう。

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「図書館は、全て読むことなど初めから不可能な条件の上に立っている。
 読まないこと、読まれないことで本は未来を得てきた」。

詩人・長田弘さんのこの言葉に救われたような、背中を押されるような気持ちになる。
山も集落もニンゲンも、
つまりは読まれないことで本が未来を得たようにして続いているのだと思う。

今日は図書館の日なのだそう。


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by 907011 | 2014-04-30 05:06 | Trackback | Comments(0)

四。

0歳児と過ごすはじめての4月。

この春は得意の昼寝をあまりしていない。
<気持ちいいことの最終的な表現が「寝る」ということでしょうから。>とは、
みうらじゅんさんの名言だ。

夜明け前に目覚めてストーブをつけたら頭の上で羽音。
カメムシだろうと思ったら大きいスズメバチだった。
蝿叩きが見当たらずうちわで屠る午前3時。
カメムシ取り用ペットボトル(飲み口を逆さに付け、底に水)に入れる。
水は今や濃厚なカメムシ水となっており、自然農薬か何かになりそう。

たぶん50人いればその50人誰しもが、
カメムシの有効的利用価値について検討したことがあると思う。
カメムシに感謝したいという最終的な表現はいまだ見当たらない。


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山中に来た友達はだいたい最初に、
「道が本当に合ってんのか不安だった」と言います。
自分も初めて案内されたとき、
「この道路から先に集落があるとは思えない」感がすごかったので、
たまに思い出すと新鮮な気分になります。

そんな集落入口ですが、春は上り道からずーっと水仙ロードが続き、
「住んでるぜ、ニンゲン」感があふれます。
最初のカーブのところにはもうじき「山中」の水仙文字が開花します。
わき見運転をすると崖から車ごと落ちるので気をつけてください。

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自分の田んぼは一部雪でまだ覆われているところもあり、
子どもを背負いながら家人にゼンマイ採りを習う。

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岳は山中に居る時間は、山中らしく外で歩行機に鶏を乗せて別の鶏を追ったり、
その辺に落ちている杉の皮をビーフジャーキーのようにかじったり、残雪や土を食べてみたり、
某隣りの国なみのハングリーさで、かじれるものを探求する。
ゼンマイの感触にも親しんでいるので、早くからヘビの対応をお願いしたいと切に思う。


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一昨日で山中に移住して3年になった。
田んぼに水を入れると見せかけて、一人で休耕田を探索していたら、
良いウドを10数本採ることができて満足。
ビギナーズラック兼3年間の節目。
ウドを食べて酒を飲んで、また早寝した。

無知不勉強非常識な自分なので、
田畑鶏家山、何をするにもたぶん人の5倍ぐらいの時間がかかる。
沈思黙考と試行錯誤。その後結局やり直しetc.

おそらく定点カメラの映像を早送りで見ても、
首を傾げたまま動かない時間帯もありましょう。
時間をかけて観察し続けることや、それらを見ながら考え続けること、
唯一鳴る鳥の声や風の音までもいつしか耳に入ってなくて、
非効率で不経済でじつに我儘だけど、それが楽しいのだ。

冬を越したキリギリスに、4回目の春深まる。


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by 907011 | 2014-04-28 06:11 | Trackback | Comments(0)

between.

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21日月曜日。
春祭りは午後からだったので、
午前に男4人で公民館に集まり、
雪の間は壁になり明りとりになり守ってくれていたバタリを上げた。

4人で木のはしごを突っ掛けて持ち上げ、
せえので2人が抜けて単管で組んだ”鳥居”を運んで来て地に挿し、
今まさに子どもに支点力点作用点を学習してほしいような涙涙の「瞬間2人力木はしご」から、
山中の春夏秋を支える鉄の支柱へとスイッチさせる。
(今年は危機感を覚える重さ/1人あたり、だった)

写真は柱を最後に固める山中土木親方のヒコスケさん。
こういう時の脚立は四隅の一点がだいたい安定しないで揺れる。


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正面と北側と。
北側はまた秋のモミ摺りで使用しなくてはいけない。

これまでの協働作業の要となっていた親方が去年江戸に出てしまい、
旗立て以上にまたも工作の時間的に試行錯誤しながら進む。
「2回と同じやり方はできねえな」というシゲルさんの名言が出た。

小雨降るなか、4人では手が足りなかった感もあったが、
ケガなく(フミオさんが途中倒れてきた板で頭打った。釘出てなくて良かった)、どうにか終了。
ため池にフェンスを取りつけて一同解散。
ちなみに去年の同作業は4月30日だった。

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午後、剣神社に役員集まり春祭り。
宮司さんに無病息災と豊穣の祝詞(のりと)をあげていただく。
「祈年の祝詞」と宮司さんは話し、
「年」という字に米や豆の農作物を指す意味があるのだと繰り返し説明されていた。
一年とは、としばらく考えさせられた。

神社で、その後公民館で老人会と合流して、日本酒を飲んだ。
翌朝二日酔いでゴミ出し&新聞とり(ウチ含め数軒は新聞受けが公民館に在中)に来たら、
公民館のバタリがキリリと春を告げておったもので、
キリリとゴミを出し、キリリと農業新聞社説などを読む。

午後、今シーズン初の種まきをしていたら召集がかかり、旗下ろしへ。
フミオさんが苗代に行ったのか見当たらず、3人に減ったものの無事ケガなく片付いた。

旗を縛った神社入り口の石柱の一つがグラついているので、
田植え後に協働補修作業をしようそうしましょうと話して一同解散。
「一つ仕事が減って、また一つ新しい仕事が出来たねえ」とヒコスケさんの名言が出た。


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by 907011 | 2014-04-24 06:45 | Trackback | Comments(0)

ブルーアワー。

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夜明け前に見上げる桜が良い。
懲りもせずに春の度に同じ写真を撮る。
うちの隣りというか一つ上の「五助」の桜にこの春も圧倒された。

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by 907011 | 2014-04-21 05:49 | Trackback | Comments(0)

邂逅。

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4月9日。
車、とうとう家の前に入る。
この後、さらに一日掘って自動車学校の方向転換90度みたいなのをつくり、
車の向き、やっと変わる。
去年より半月早い出来。

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マヤ(馬屋)の囲いを外し、バタリをよっとこらと上げて、
鶏たちとお天道様(と合鴨2羽)ともようやく邂逅。
2014年の鶏たち、迎春。


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岳を連れて水族館に行き、クラゲに見惚れる(お父さんが)。
帰り際にドクターフィッシュ(角質?食う魚)の水槽があったので、
試しにと手を突っ込んでみたら第二関節まで入れない時点で
全ドクターがピラニア然となり吸い付きだす。
水中に入れるそばから手はドクターに覆われて手型魚群となる。手品みたいだった。
俺の前にやっていた客との随分な違いに、引き抜いて我が掌をしばし眺める。
眺めるより仕方がないので、あらためてクラゲを凝視してから水族館を後にした。

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by 907011 | 2014-04-13 05:45 | Trackback | Comments(0)

我がまま。

笑っていいともの終わりと時を同じくして、
4月から農家になった。
正しくは農業あるいは専業農家という肩書を名乗るべきらしいけども、
「暮らす」ということを純粋に続けるべく、生活したい。
静かに暮らすというのが、今日にあってはもっとも難しいことに感じる。
とりあえずひたすらスコップを握って雪を投げる日々。
まだ土も出ない。


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冬の月明かりの下に雪の道をとぼとぼ歩いていると、
今ここに生きていることの妙に感動する。

月と火、
水と木、
金と土、
そして日。
暦に使われる象徴7つを強く感じるのが、
厳しい冬の終わり、春の始まりで、
雪が消えていく過程にその7つ全てが結びつく。
映画『セブン』がふと見たくなる(ちなみに金は鉱物)。


雨が姿を変えた雪が、雨によってまた消えるのを眺める朝。

山の中が白く包まれて、
およそ5カ月の雪がいよいよ昇華していく。


君でも一日のうちに、損も得も要らない、善も悪も考へない、
たゞ天然の儘の心を天然の我儘に出してゐる事が、一度や二度はあるだらう。
僕の尊いといふのは、其時の君の事を云ふんだ。其時に限るのだ。
(夏目漱石『虞美人草』)

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by 907011 | 2014-04-04 06:58 | Trackback | Comments(0)