山中記

<   2015年 04月 ( 10 )   > この月の画像一覧

サボタージュ。

一週間前。
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「圧倒的無知」が続いた結果、
脳みそに靄がもやっとかかったような状態で朦朧四月。

書類をやっと一つ片付けたと思いきや、背後に二つ届いている。
三歩進んで二歩下がる水前寺清子の『三六五歩のマーチ』は、それでも前に進めるが、
俺はこのままだと一日一歩ずつ後退してしまうマーチなエイプリール。

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区長になると孤独感がすごい、と誰かが言っていた言葉をこの頃とみに思い出す。
「隣りの芝生が青く見える」の青をはるかに通り越して、
『グラン・ブルー』ぐらいに見えてくる日々。

(これはまずい)と気付くと同時にとりあえず長靴履いてフラフラ出た。

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お天道様に頭蓋を差し出して、脳みそをよく暖めてもらう。
太陽エネルギー。回れ、血流。

「いいなあ、いいなあ。こういうのはじつにいいなー」と、
月ユメの田んぼに向かう。

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まだ雪でまったく入れず、まだまだ何も始まらない。

「まだ間に合う」と、脳みそに聞こえるように、
下界の情報を伝えながら、
「緩くあれ」と弛緩命令(?)を送る。

区長職、放棄。
久々に機嫌良く過ごせた。
(4月23日の日記)

クマが出たらしい、というのは帰宅後に知った。

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パソコンに貼られたステッカー(山中デザイン部長イサオさん作)、Dive into 山中。
まだ間に合うから。飛び込め山中。


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by 907011 | 2015-04-30 09:28 | Trackback | Comments(0)

祈年。

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春の祭礼をつつがなく終えた。

次々とハードルがやってくる新たな区長職に、
脳が「わからない」ホルモンを分泌、送り続ける結果、
たちどころに心身が弱るという、「わかりやすいくらいテキメンな4月」ももう終盤。
わからないからなるべく先代のやった通り、言う通り、聞いた通り、
そこから感じた通りにやって書類一枚ずつ越えていくしかないなあという結論。
なので、春祭は区長だけスーツ着用というのもそのまま謙虚に踏襲。

かくして現れたワタシのスーツ姿というのは、
山中の人たちの脳裏にはまずない眺めだったので、
日常の我が乞食百姓スタイルとギャップが大き過ぎて、
「ヤクザが盃受ける儀式みたいだった」と揶揄された。
こんなに気の小さなヤクザは存在し得ません。

奮う心と、震える声と、震える手で頑張ります。
(最近心もあまり奮ってないワタシの稀有なスーツ姿が『ハザマブログ』に載ってます)

山中米も祭礼に使ってもらえたし、まあもろもろ良しとしよう。

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幣束をいただき、ハザマ君を連れて、
山中の上にある廃村岩野へ。
岩野の諏訪さまに幣束を届けさせてもらい、ここでも祈年。
祈年の「年」という字には米や豆など農作物を指す意味があるのだと、
去年のワタシが書いていた。
(※去年の同日の日記に「between」って題名がついていた。
 これってまさしく「はざま」を意味しているじゃあないですか!)

とにかく、これで春の神頼み、万全。

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諏訪様から再び山を下りて戻り、公民館で一杯。
かつてはカラオケしたり賑やかだったそうだが、
今は数名で一杯となった。これはこれでこじんまりと密な話ができて良い。
スーツを脱いで作業着状態になった俺もやっとここから酒がまともに(?)飲めたし酔えた。

これで震える声と手も鎮まるというものだ。

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翌日は午前に公民館のバタリ上げなど「村普請」をしたが、
その際にハザマ君、足の爪を割る負傷。
完全にワタシどもの注意不足だった。
診療所に行き、その後歩けたので少し安堵。気をつけよう我ら。

午後は志願して、先代・マサオさんの苗づくりを手伝った。
(主にハザマ君が)
俺は横でひたすらマサオさんに山中流の育苗について聞き取り。
山中ではとうとうマサオさん以外には、
少し小さな規模であと一戸だけになってしまった苗づくり。
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「ナオキ君も苗やらないか?自分でつくった苗はずんぐりしていて良いぞ」と言われ、
手を付けられずにいた種籾を「よし、やろう!」と湯温消毒&塩水選した昨日、4月24日。

まったく成長しておらず、去年も27日にほぼ同じように、
「あ。苗つくってみようかな」とやっていた。

なんだかずっとそうやっていくみたいだ。
今年もタンコブの多い一年になることでしょう。


写真的かどうか、というのは、きれいか・きれいじゃないかっていうよりも、
自分が感じた時のことが写っているか・写っていないかということです。
(菅原一剛さんが『写真がもっと好きになる』の中で)



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by 907011 | 2015-04-24 05:48 | Trackback | Comments(0)

山中は今日が春祭です。

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昨日20日。
朝神社集合で春祭りの旗立て、神社掃除。
今年は例年にないくらい役員全員集合。
村の中心が心もとない区長に変わったために、
みんな危機感を募らせてくれているのだと思う。

そういう自治もある。
ないか。

月曜から熱出してフラフラになっているヘロヘロ区長を、
周りでもって確かに固めてください。

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今朝。
祭りの朝の賽銭とりはシゲルさんとカワシマさん。
俺も布団で迷った末に30分くらい後にえいっと上って、
山中、みんな、あらゆることの無事をお願いする。
不確かな俺にできるのはやはり神頼みくらいです。

ハザマ君もすでにお参りし、お二人の話を聞いていた。
賽銭とりといっても今神社に上がって来られる人が少なく、
けっこう暇なので聞き役がいてくれて良かったと思う。
実にユーティリティな若者。

最近ブログを書く時間がなくなりつつあるワタシの暮らし(だいたい酔うか遊ぶかしている)も、
時々ハザマ君の山中暮らし体験記に登場します。
しばらくはハザマブログに詳細を載せてもらうことにします。

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一升精米して、劔神社祭礼へ。
山中米を奉納。
苗から自分で起こした米なので感慨深いものがある。

先週あたりから薄々気付いたけども、
恐ろしいほどに自分の実験時間がまったくなくなってきていて、
今年も少しだけ苗つくろうと企む種籾も手をつけてない。
4月の年度初めというのもあるせいか、書類が加速度的に積まれていく。
本当にどうなるだろうか、今年の百姓見習い。今年の山中での暮らし。
気力と体力、謙虚さと素直さが求められている。

自力で笑いたい。
そういうところにたまには(偶然の方が多くても)、自分で持っていきたいなあと思う。


落語は、いちばんしんどい芸能なんですよ。
だって、ただ見てるだけじゃ笑えないじゃないですか、落語は。
バナナの皮で滑ってるわけじゃないんですから、
お客さんが考えなきゃならない。
もう大変です。
でも、何でしょう、やっぱり自分の力で笑うという。
帰るときに「自分の力で笑った」というよろこびがあるんですよね、落語ってね。
(立川志の輔)



考えなきゃならない。

祭礼日和。

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by 907011 | 2015-04-21 09:16 | Trackback | Comments(2)

歓迎する集落と歓迎される若者。

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山中公民館が面白い。
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遡ること6時間ほど前。
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どういう順番だったか忘れたけど、
山中での移動手段は原付バイクが一番機能的という話になり、
それなら栃尾の実家にあるのだ、とハザマ君が言った。
じゃあ、原付取りに行きがてら、油揚げ食い倒れツアーをしよう、となった。単純明快。

それなら、ハザマ君歓迎会で油揚げ焼いて、栃尾の酒を出して、
「リトル栃尾」ナイトにしよう、とさらになった。ストレート。
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かくしてハザマユウキ26歳歓迎会が開催された。
自己紹介のハザマ。

「山中にあるもので暮らそう」を具体化すべく、
ハザマ君には我らの身の回りに自生している食べられる草をディープに調査してもらっていて、
昨夜はカンゾウのぬたをこしらえて振る舞ってもらった。
食べられる草プロジェクト、好評。
あれも食える。これも食わねば。
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ハザマ君、料理力が高く、山中女子にも浸透が早くて感心するばかり。
釣りをするからか、笹団子の手伝いをしてもらったら、
手先が器用だと褒められておった。

釣った魚もさばけるのでそのうち「山中寿司」ナイトを企画。
俺はこういう「できるニンゲン」の裏に隠れて、いろいろ画策して、
背後で「どうだ!」と言う係。

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居酒屋山中公民館。
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油揚げはネギと大根おろしで熱くいただいた。
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開宴と同時に外で打ち合わせする二人(と一匹)。

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30分後。

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デビュー。

この後、山中の歌が久しぶりに披露され、
我ら感動のままに、「これを動画で世界に発信してみよう(別に金もかからないし)」と新企画が湧いた。
頑張れ、頼んだハザマ君。俺はその背後で「どうだ!」という係。

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だいぶ酔いが回ってからになってしまったものの、
イサオさんプレゼンツ、「米の食べ比べコンテスト」が開催された。

コメント力のある若者・ハザマ君が先日、イサオ家でご飯いただいた際に、
山中の米を「力強さがある」と評し、
米の力強さとは何ぞやとなったのがそもそもの発端。

栃尾で買った棚田米コシヒカリ、と市販のパールライス的コシヒカリ、
それと我ら山中米。

飛び入り参加でやってきた”イタッチ”に司会進行盛り上げ役をやってもらった。
イタッチは同じくこの4月に高柳にやってきた23歳。
温泉に入りに行ったハザマ君とは昨日会ったばかりの間柄。
もちろん我らは初対面なので、会場に入るなり、
「キミは誰なんだ!?」と言われ続けた(酔った俺が)。

こども自然王国に就職し、
坪野の一軒家に住んでいるのだ、若者同士仲良くするようにと
王国のヒロミさんが連れてきてくれた。
車で来たけど交渉の末、5秒で飲むことに決めたので、
今、山中公民館に来るとイタッチの車を見ることができます。
(イタッチその人は王国に居ます。)

いざ食べ比べてみて、一番多く感想をいただけたのが、
ご当地山中米だったのでそれはやはり嬉しいなあと俺も思った。

ホソダ君の時もそうだったけど、良い夜でした。

これから外仕事も増えてくるので、
たまにまた開店します、居酒屋公民館&クラブ山中。


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by 907011 | 2015-04-19 07:16 | Trackback | Comments(0)

二枚目。

二枚目の写真が俺は好き。

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トクイチ翁、語る。
話の節々にちょいちょい「その時、綺麗だったオンナの話」が交雑する。

昭和5年生まれ。
かつては議員も務めた百姓で、ときどきしっかりしたことをびしっと言う。
が、残念ながらその時にはすでに俺はつぶれている。

酒もそっちの話題も現役選手。

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インターン生ハザマ君は平成生まれ。
これから栃尾に油揚げを買いにゆきます。

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編集したいが何話したんだったか記憶もない。
恐ろしく宿酔い。
間ブログを待とう。

トクイチ翁、ちょっとオネエがかる。


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by 907011 | 2015-04-18 08:11 | Trackback | Comments(0)

近くに行きたい。

万年子分気質でのらりくらりやってきた俺に、
まだまだ「親分学」の入口は見えてこない。

4月新体制がスタートしてから、
テキメンに寝不足となり、免疫力ゼロ男になった結果、
心身のどこかしかがずっと風邪をこじらせていて治らない。
去る冬はここ数年になかったほど奇跡的に元気に面白可笑しく過ごしたものの、
4月突入と同時にどうも低空飛行中。
昨日は書類を読んだり書いたりしながら、
はっと気付くと、中島みゆき「ホームにて」を聞いていた。


明朝、「適疎」一同でハザマ君のホーム栃尾に乗り込み、
油揚げを食い倒れて帰ってくるというツアーが企画されている。
いいね、栃尾。

夜は我らがホーム山中公民館で歓迎会をし、買い込んだ油揚げや焼き鳥を焼いて、
「居酒屋山中」ナイトとなり、「クラブ山中」でカワシマさんが弾くギターで”山中の歌”を熱唱する。
(「クラブ」は公民館の年寄りたち的呼び名。「ラ」にアクセント。正式名称は集落センター?)

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ワタシの風邪は喉から来る。というかほぼ喉の痛みに終始する。
時々寒気がして、熱や咳が出る。
ぼーっとしてフラフラして、もちろん難儀い症状が続くものの、
普段ぼーっとしているために、
意外にも周囲から切実な病状が理解してもらえないという、損なニンゲンだ。
ということを、やはりぼーっとしながら思う。

いよいよやばいなと思うと、マスクをする。
マスクをしながら、「口を隠すワタシ」という状態について考える。

昔どこかのなにかで目にした、
ミッフィーの口が「×」なこと、およびキティ(ちゃん)の口が無いという
キャラクターの表情がそのファンに与える印象についての考察を布団の中で思い出した。
特に後者についての印象の分析は面白いなあと思った。

人の表情って口を無くす(覆う)と、その喜怒哀楽が実に判断しづらくなる。
いろんな目のパターンに対しても、
口の表情(?)によって笑いとも怒りともなる。
笑いは自分の歯や口の中を見せることで、相手への友好感情を表現するのだと、
『はるかな記憶』の野生動物のパワーバランスの事例にもあった。

相対する表情から感情が分からないということは、
おっかないことでもあるかもしれないけど、
そのキャラ考察のなかにおいては、
こちらが楽しければ口無しキャラの表情も楽しい表情に映って見え、
こっちが少し寂しい気分の時はキャラ表情にもナニガシカの寂しさが反映されて見えてくるという、
鏡映し的効果があるのだというようなことだった(うろ覚え。もしかして夢で文献を見ただけかもしれない)。

役所の窓口などでマスクが多用されているのも
一つのケースずつのストレスを減らすためのマスク口無し効果があるのかもしれない。
サバサバとやっていけるように口を覆うというマスク着用もあるのかもなあと、
自分が口を覆って話しながら想った。

犬は笑わないといわれるが、でも犬が笑って見える時もある。

山も笑う。
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この頃は、区長職引き継ぎをどうしようかという試行錯誤で
ほぼ一週間が終わってしまった。
14年勤めあげた前区長マサオさん家の玄関に足しげく通い、
来週行われる春の祭礼に向けた段取りを進めたり、会議もいっぱいあった。
初めての区長会に出て、農山村のマフィア的な異空間を楽しんだり、
「山中区の会計をゼロから学ぼう(主に俺が)の会」が公民館で開催されたり、
その後に一杯飲んで、本音と建前トークに花を咲かせたり。
呑みニケーションが山中ではまだまだ有効で抜群の効果を発揮してくれる。

昨日、中山間地域等直接支払制度の会議に出席。
・・・まったく関係ないのですが、
サッカー日本代表に召集された時の「播戸」のエピソードを思い出した。
オシム監督に呼ばれて練習参加したものの、
氏の提唱する「考えるサッカー」に対して、
「・・・わかんねえ!」と言ったバンド選手。

翌朝のスポーツ新聞に大きく、<播戸、「わかんねえ!」>と書かれてあった、
という話を居酒屋カウンターでコバヤシさんに聞きながら瓶ビールを傾けた夜を思い出していた。
(これもうろ覚えでバンド選手じゃなかったらスミマセン)
直払い。思った以上に、わかんねえ。

村は待ったなしの現状ではあるけども、
一巡目はとにかく我慢が肝要だと思った。
謙虚に聞かねば進めない。

一つの書類をどうこうするのに人の10倍くらい時間を要するので、
「自分の時間」がまずなくなりそうな気配。大丈夫だろうか百姓見習い。

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昨夕。
頼んで、区の会計役を留任してもらった”まごすけ”のこたつで
なおも会計を少しずつ学んだり、まごすけ夫婦と話し合ったり。
ちょうどマサオさんもやってきて、その後一杯(大量の方)いただく。
夜、一升瓶その他もろもろ酒を抱えながら赤い顔で帰る。
道中、携帯電話が三度鳴り、うち一本はトクイチ翁からだった。
今夜は”そうじろ”にハザマ君を連れて一杯やる予定。

区長何もわかりませんが、山中のそこここで盃だけは交わしているので何とかなるでしょう。
そういう自治もある。
ないか。



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by 907011 | 2015-04-17 05:44 | Trackback | Comments(0)

世界の山中米。(期間限定)

インターネットの世界が操れれば、
たとえば
俺が乾杯から一時間くらいで「あっ!」という間に泥のように酔っている姿や、
せがれ・ガクが棚を開けて毎日ひたすらタッパーのフタを外しては投げ、無限に散らし続ける動画などが
瞬時に世界に発信される。

俺には世界はよくわからないが、
ピースボートに乗って世界を一周見て、おまけに本を出した(共著)りしていた若者・アユミさんが、
「ホームページをつくる練習~♪」といって山中米の紹介ページをつくってくれた。
ただし、練習台なのであと数カ月だけしか世界からアクセスできない秘密のサイトです。

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山中米

確定申告などでアワアワしていた頃に、
半分以上酔っぱらった俺がメール等で文章や写真をやり取りしたのを
ひじょうに上手いこと編集してつくってもらったので、
ところどころツッコミどころもあるかとは思いますが、
よくぞあの時期に、あのやり取りで作成したなあと感心しました、アユミさん。
さすが絵を描く人だ。

Ayumiさん、自己紹介はこちら。
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by 907011 | 2015-04-15 18:01 | Trackback | Comments(0)

山、笑う。

気付くといつの間にか始まっている大相撲と選挙。

自分の脳裏にもうっすら残像があるような、愛すべき”古き良き年寄り”みたいに、
俺はもう少し分かりやすいように近づいてゆきたい。

故・カメキチ爺さんの3年日記を読んでいると、
やはり大相撲をテレビの前にデンと座って注視しているような日があって、
その光景を思い描いては、しみじみ(いいなあ)と感じる自分が居る。

”ふじみやのジサ”カメキチは家人の爺さんで、
在りし日の姿を知らない俺は毎朝に故人が残した3年日記の中で
20年くらい前の亀吉さんに逢う。
「そのときの今日」にやったことを知り、その姿を想像し、
そのときの今日の山中の風や土や水を想い浮かべる。

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インターン生ハザマ君が山中に来てはや一週間が過ぎた。
一年間の最初の一週間。
平日はイサオ兄もまた家人も居らず、せがれ・ガクまでもが皆勤めに出ており、
「でも、はじめが肝心」というキャッチコピーが頭から離れず、余計なお節介心が湧き、
お見合いの話持ちかけマニアのおばちゃんのような気持ちになる。

お節介心が先行し過ぎると、
本来、”補助”をするための機能である延長コード(ドラム型)がからまって
ただただ余計に厄介なシロモノになってしまうかのようになるので、自制しなくてはいけない。
何の感情であっても過剰はいけない。

・・・かくして、アクセルを踏みながらブレーキをいかに踏むか、
転じて、「ブレーキとはそもそも存在としていかなるものだろうか」と
哲学入門を一冊買いに走りそうな受入れ人ワタシの隣りで、
張本人ハザマユウキその人はじつに謙虚にたたずんで暮らしを始めてくれていて、
あーこうして一年は過ぎて行くのだねえとよく実感できた一週間であった。
昨夏、ホソダ君の時もそうだった。
受け入れる我らはやっぱり「楽しく」て、
若者たちを通しながら山中への愛着&ユーモアを掘り起こすのでした。

そんなハザマ君の山中体験記もじつによくまとまっていて、
人柄同様素直な文体に、我らも素直に感心するのでした。

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スノーダンプを背負うハザマユウキ25歳。
君が住むのはあの左上の家で、年の半分くらいはだいたいこんな道だ。
滝みたいだねえ。

版画のようでもあるねえ。

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来ていきなり自分は今日が誕生日なのだというハザマユウキ26歳の夜。
「かめぐち」を少し明るい時間から飲み語る。
混じりたいけど会議で混ざれないというイサオ兄からはケーキが届いていた。
歓迎されてるねえ。

(つづき)一週の間
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by 907011 | 2015-04-12 06:23 | Trackback | Comments(0)

山中インターン開始。

「いちかばちか、えいっ!と手を挙げるだけ挙げてみよう」という募集からあわあわと時を経て、
山中で一年間の暮らし体験(インターン)受入れが始まった。

4月4日。快晴。
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引っ越しの横でおもむろにガスの取り付けをしてもらってお湯が出たという、
ナイス滑り込みでとりあえず生活インフラ整備。器、オッケー。
今季も緩さを大切にします、我ら山中。

1年間お世話になる旧”ばんきち”の家の冬用玄関から外を眺める。

眼下、公民館の前のいわゆる「山中の首都」通りに久々の音が聞こえ、
今春の耕運機第一号、”きちごろ”のジサが走っていった。

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雪も構わず、道路が出ていないので、
雪上に最短ルートを造って、近場の窓の落とし板を何枚か外して荷物を運びいれた。
頼れる兄貴イサオさん家の子どもら(と犬フミエ)もじゃれながら手伝ってくれて、
終始にぎやかに、にこやかに、
ときどき雪に荷物を落としたり、いつの間にか自分がひざまで落ちてみたりしながらも、
「あっ」という間に無事終わる。

かくして、間雄輝くんが埼玉からやってきた。
ハザマユウキ君、もともとの出は栃尾です。
関わる皆さん、よろしくお願いします。

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雪上引っ越し最短ルートとして、隣りの”へいはち”宅前を通らせてもらった。
早い頃から村の人たちにはインターンの説明をしてあったので、
(へいはちが縮まって)”へやち”のマサさんも楽しみにしていた様子。
荷物を運ぶ脇で、やおら崖に降りてフキノトウを摘み、「ふき、食え」と手土産(?)にくれた。

そうしてハザマ君の山中暮らしが始まった。

 * * *

おととい6日。
午前に「イナカレッジ」のオリエンテーション。
研修もろもろについて事務局のカネコさんと「あいさ」のミヤさん、
受入れて立つ我らと、そして張本人ハザマユウキその人、とで相互の確認事項あれこれ。

午後からさっそく手書きしてもらった自作自己紹介チラシを持って、
村の中を上から下まで舐めまわすように歩きながら全戸に挨拶周り。
紹介やらお願いやらをしながら一周だいたい一時間半程度舐めたか。
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相変わらず年寄りたちは、
「エンジェル」とさえ呼ばれる、その愛きょうを玄関先でいかんなく発揮し、
”そうじろ”のトクイチ翁などは「腰が痛くてダメだ~」といいながら、
湯船からほぼダイレクトに登場し、チラシを握りしめ勇む我らを己の身一つで制した。
(写真は割愛)

今シーズン耕運機第1号だった”きちごろ”の玄関には
なぜかスズメバチがおとりのように糸に縛られていた。
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公民館に巨大なハザマ紹介ポスターを貼らせてもらった。

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集落入口の数軒を除いて、山中では新聞をとると公民館に挿しこまれ、
それを各々が取りに行くというシステムで情報収集がなされている。

写真右がその新聞受け。
ちなみにその上に乗っている段ボール箱はイトー家の特例ポスト。

冬は我が家への道が意地悪なほどに険しいので、
配り物やイトー家へのお便りは特例的に公民館の箱に置いてもらい、
追ってこちらから取りに伺うシステムにさせてもらっている。
写真のように、この箱に何がしかの書類が入っているということは、
まだまだイトー家へは冬季アクセスのままですという印でもある。
(まったくついでですが、
 長岡の新婚S家からの小包、いろいろいただきました。ありがとう!)

最後に訪ねた”ごすけ”では、
「あがれー」というので上がってコタツに入り、
「いっとき茶飲めー」というのでしばらくお茶を飲んで、
さまざまにバサの話を聞かせてもらった。
山中の上にある廃村”岩野”の話、山菜きのこの話etc.面白かった。
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昨日もいろいろ体験してもらい、
面白可笑しく酒を飲んだり(主に俺が)してましたが、
書けば長くなるのでいきなり終わり。

山中インターン生ハザマ君のブログはこちら
ひじょうに純粋で素直な若者です。
これからがんがん日焼けして、そのうちにヒゲが伸び、
気付けば坊主頭になっていることでしょう。


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by 907011 | 2015-04-08 05:48

小さな自治。

僭越ではありますが、
4月から山中区長(山中地区自治会長)の役を仰せつかりました。

紹介された人たちが一様に、「??」と振り返っては
つま先から頭を二度見されることが示しているように、
自分とはかなりギャップのある大切な役割に恐縮するばかりです。

「山中、博打やなあ」と思われるくらい、自分がまったく無知な状態であり、
とりあえず「区長の仕事」としてどういうものがあるのか、
自分でも備忘録として記して公開したいとたくらんでいます。


 * * *

区長になると会議がやたら多い、書類が山のように来る、と言われたので、
文書入れ箱を玄関につくった。

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最初の文書はトシコさんからで、菜っ葉とメモが置かれてあった。

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昨日。
ガクが入園式だった。
が、熱を出して幻の入園式となる。
お前さんもおそらくはそういう星のもとに生まれたのだなあと我が子を眺める。

昼に農協から大量の配布物がやってきて、たまげる。
さっそく、村のあらゆる用務をしてもらっているカズミさんのところに、
今後どう対応していったら良いものだか聞きに”ばんきち”へ。

あがれーと言われたので素直に上がってこたつに入り、
まあ飲めーと言われたので素直に濁り酒とビールを2本飲み、
真っ赤になって帰宅。

その後、初めての文書に書かれてあったトシコさんの「ギョーザ」を食べに”きんべ”へ行き、
またも素直に食べ飲みしながら、区長の役を分散させよう計画を話し合う。
素直でいることが求められていると思う。

残雪をかんじき履いて歩いたらこの上なく最短距離で”きんべ”にすぐ着いた。

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ケモノショック以来、3カ月ぶりに鶏(のボス一羽)を外で鳴かせてみた。
春呼ぶ鶏。村の誰かの耳にも届いただろう。
などとあごひげをしゃりっとなでてニンマリしていたら、
上から”ごすけ”のバサが来て、漬物とカボチャの煮たのをくれた。
鶏鳴かせ効果。
これも素直にいただく。

 * * *

今日は山中に一年間暮らしを体験しにやってくる若者の引っ越し日。
一年間は長くて短いようでやっぱり長丁場に感じられる。
本人も不安でいっぱいだろうし、受け入れる我らもまだまだ手探り状態。

夜は初めての役員会で公民館へ。引き継ぎ事項など話し合う予定。

何がどう始まるだろうか。
いろいろ初々しい哉、春。

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by 907011 | 2015-04-04 09:45 | Trackback | Comments(0)