山中記

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2nights3days.

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昨日も熱をたっぷり蓄え放った。
一昨日よく寝たおかげで、風と日陰こそなかったものの
身体は暑さに慣れだし、遅れてきた夏モードとなり、次第に汗も心地よくなる。

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刈った後に側溝に落ちた草、覆った草を除くのが地味に一番きつい。
大人数だと一人がケツから付いてきて綺麗にしてくれるので、
前の人は機械でひたすら油切れまで刈り進むなんてリッチ(?)な草刈りができるが、
少数編成な今回はそうはいかず、アップダウンを行って戻っての繰り返しが続いた。

暑さに溶けて
、「自意識の滅却」などと朝に思い立ったものの、
そうはいいつつ身体が慣れ始めたせいか、
終日考え事をしてはいかんいかんと首と刃を振り続け、一日が終わった。

受動的な仕事、
機械の音がやかましいのでチームでありながら個の単調作業であることが、
頭疲れ気味な自分にはちょうど良いあんばいなのだと思った。
集中できた二日間であった、
・・・が実は続きが少し残ってしまった。
今日、びしっと片が付く、はず。

フミオさんとミチヒロさんはまったく安定した屈強さ。山中産。

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栃ヶ原から山中へ帰る下の道。
うちの3組が受け持っている、山中最難の道普請7~17時コースのゴール。

栃ヶ原から見たこのあたりに、定点カメラを置いて星を撮るみたいにすると、
車の走った動きが”蛍の写真”みたいに撮れそうなものだ。
が、一晩カメラを据えても車一台も通らずということもかなりあり得る。

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拘束されて17時まで何もできなくなると、
その反動で、普段なら嫌んなってやめるような日暮れギリギリまでの仕事に没頭するようになる。

ふと、自分の言葉がほとんど「あまのじゃくである」という結論に至る。

昔読んだ話にあった「灰色の魔女」のことを思い出す。
乱世に現れ、対立している2国間で優劣が明確になった時に、
劣勢の国にぶらり現れ、力を貸して味方する。
結果、拮抗は絶妙に保たれ、緊張や不安や非日常感、
そして安定しないことによって、それぞれの役割や存在意義が存続する。
黒か白か、いずれかに傾きかけた時に
それらを黒でも白でもなく灰色にするという、子どもの自分には違和感残る話だった。

自分の発言パターンも何か似たところがあって、
マイノリティや灰色に混ざる部分を探そうとする癖があるのだと思う。

ただ、ひねり出された言葉や悩んだ末にとった選択の仕方が
いつの間に独り歩きして、後に予期してなかった方に至ることもある。
順番が回ってきて強制的に何か言わなきゃいけない書かなきゃいけない場面などに、
「なにか気の効いたことを言わねば」と慌てふためき、頭の中を5つくらいサイコロが周り、
無理やり言葉をひり出した2分後から、
「言わなきゃよかった」「またつまらないものを書いてしまった」と
生まれてすみません的にひどく後悔をするパターン。

 * * *

夜中からまとまった雨になり、
昨夕いじった田んぼの水口が裏目に出てそうな予感。
突如雨になったらなったで沢はすぐに暴れ、水見に追われる。
学習能力ねえな~とカッパの頭を掻く。

とりあえずAM、草刈り仕事を片付ける。

「金よりも、身体だ」と一服時に誰かが言ってた言葉が頭を走り回る。


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by 907011 | 2015-07-23 04:47 | Trackback | Comments(0)

熱の山。

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栃ヶ原奥。
山の中腹を走る県道は日陰がほぼなく、
午前は無風、担当業者含めた4人で電柱一本ずつを
1時間近くかけながら遅々としてようやく進む。
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去年よりも草丈高く、茎が元気。
ニセアカシアの木もいっそうはびこっており、
俺の回転数が少な過ぎたか、刃が反り返ってダメになり夕方交換。
午前一服3回挟む。「また休みか」と思ったけど、
結果的にはこれが午後につながった。塩1袋麦茶に溶かして飲んだ。
最初の一服時、タオルから汗が道路に絞れた。
明日(今日)のことを考え、夜の会合を休ませてもらうことにする。
(昨日の「断る力」とは別で想定外だった)
日射し、草やぶ、照り返し、熱風、側溝の刈り草拾い、ガードロープの塞ぐ力。
目に入る汗の粒、頭も顎も尋常じゃない。
シャツはぴたりと張り付き、薄作業ズボンは濡れて若干すけすけ。
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午後、山中の鉄人フミオさんが加わり、
また風も時折吹いて、草もツルとカヤが増え、オと木が減り、ペースが上がる。
一つの目途だった栃ヶ原集落を抜けて17時終了。
身体と機械から熱を出しながら、熱を呼吸していたような一日でほぼ無思考。祭りのよう。
結果が目に見えにくいわかりにくいような時間をじっと忍んでいたので、
こういう大きく目に見える作業はやっぱりわかりやすいのだと思う。

田んぼ2枚水かけて走るようにして穂肥を3枚まいてこの日が暮れた。
身体は屋根瓦のように日中浴びた熱を蓄えて、一晩かけて放熱した。

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by 907011 | 2015-07-22 04:47 | Trackback | Comments(0)

断る力。

大きく油断していたら、今年も県道草刈りへ。

あまりにやることがあれこれ重なってしまっているので、
先月くらいに「今年は出ません」と、珍しく勇気を出して断った。

・・・10日間ほどして、「そこをなんとか調整して」と再度話が来る。
「俺は冷血ニンゲンになる」と心を鬼にして再度断る。

・・・4日前。
紆余曲折あり、なんだかんだいろんなものに巻かれ、
今日から義父さんと一緒に草刈り後半戦の栃ヶ原ラウンドへ合流することに。
朝からたぶん3人で炎天下を刈り進むのは過酷ですが、今日明日で絶対終わらせねば。
山中から一日出るのも久しいながら、
しかし県道相手に3人て・・・。(去年最大時は7人で刈って練り歩いた)

我慢の一年。
ずばっと刈り終えて、泥のように寝て、
犠牲にしてしまっている分をどうにかこうにか。
そう考えると、個人として参加する会議を減らさねば。

難しいながらも断る力も大切だ。
自分のような優柔不断八方美人型ニンゲンは、
どのように判断したらこの難局をしのげるのだろうかというあたりを
熱射県道で黄色いヘルメットの下で考えながら延々草を刈る。

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by 907011 | 2015-07-21 05:49 | Trackback | Comments(0)

heavenly blue.

「いけていない男」。

1月からため込んでいた農作業の日報を雨の間にえいっとつけていたら、
この4月~6月は、去年より200時間ほど
自分の田んぼに行った時間が減っていることが見てとれた。

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今冬はいつになく好調だったのが、
道理でここ3カ月ほど気が滅入った状態にすとーんとはまった分断の春。
たとえば昼飯を食べているとほぼ毎日次の書類たちが矢文のように来る。
予想以上の「わからない」書類の量や会議に時間が割かれ、気押される。
時間や心身の分断ぶりに慣れることさえできれば、少しずつ解消していくだろう為の
「我慢の一年間」と名付け、耐え忍ぶ夏。
いやいやまいったしびれた。

「直」という字はわりによく出来た言葉だ。直れ自分。
緩く、直れ。

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昨日。
税務署から派遣された税理士センセイをうちに迎えて、
「はじめての青色申告記帳指導(¥0)」をしてもらった。台所で。

「ちなみに、簿記ってやったことあります?」と早々に聞かれ、
目線の高さに親指を立てて、「ないでーす」と即答するワタシ。
予想はしていたものの、すべてがこの一問一答に凝縮されたような1時間半が続いた。
流しの方を向き、何から話して良いのか頭を掻くセンセイと、
流しの側に座り、あまりに分からな過ぎて何をどう聞けば良いかすら見当たらず、
申し訳なさ過ぎて、いっそのことはったりでこの場をやり過ごそうかと後ろ向きに気遣う自分。
コーヒーをすすりながら、互いの失意が交錯する時間。

現金出納帳、賃借対照表、事業主借、事業主貸、控除、売掛、買掛、棚卸。
昨夜はさっぱり眠れなくなり、
深夜に一人寝床の壁に両手をつきながら「うぅ~」っと悶絶した。

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思えば3カ月、自分の頭のなかは絶えず、
「わからない。それにつけてもわからない」でぎゅーっとなっている。
普通に暮らしさえすれば分泌されているはずのホルモン的なものが発生できずに、
「わからない」循環が途切れなく支配しているような気分。
たまらず脳が「ぎゅーっ」(我ながら適確な表現だと思った)となって、
とりわけ感情が希薄化している。

ならば、負の循環を時々は社交性を失ってでも絶つ、
もしくは、上記の
とにかくこの一巡目を我慢していくことで慣れ、解消させていくetc.
このままでは面白くないなあと、
その時々に山を眺めてはあれこれ想ってみたものの、
しばらくして、要するに自分は、「突き抜けたい」のだと気付いた。

この先に、突き抜けたい。

自分の”ただただ、わからない・・・”を、緩く表現を換えるとしたら、
わかりたいと願いながら睨んでいる目の前の対象が
”それでも、見えにくい”のだ。あるいは”まだまだ、わかりにくい”のだと思った。
単に言語が用語がという、わからないではなく、
たとえば、いま自分が置かれている環境、立っていなくてはいけない地盤、
足りていない経験、心身が故の見えにくさやわかりにくさ。

自分は静かな時間においてずっと何を考えてきたか、何を信じてきたか、
何を「美しい」と想っているかは人それぞれにある。
似ているようで似ていない。似ていないようで似ている。

「問題」ではなく、「現象」。
思考をしばし停止させてしまうような手に追えない「問題」ではなく、
これらすべては自分の目を通しているからこそ起こっている「現象」なのだとつぶやく。

”わかりにくい”あるいは”見えにくい”という状態を突き抜けて、
その少し先にある視野や感情に出会いたいのだと思う。

宿題は続く。
集落のこと、田んぼのこと、暮らしのこと。時間について。
この先も延々と細々と、それこそそのたびにやっぱり少し滅入るくらいに続いていくと思う。
自分の弱さもこのまま抱えていくものだと思う。

それであっても、たまには一つ突き抜けたい。


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「欲しかったら、ぜんぶ捨てなさい」という言葉を読み返したいと思った夕方。

 * * *

そして、家が一つ、解体された。




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by 907011 | 2015-07-18 17:34 | Trackback | Comments(0)

不通→通。

昨日。
じつに21日ぶりに、久々田んぼに一日入れそうな日。
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4:30~18:00、田の草取りして夜。
知らぬ間に雨にやられたのか、携帯電話が壊れていた。

方々に迷惑がかかりそうなのでお店へ行かねばといわれる一方で、
今しばし携帯電話を持たずに暮らす術はないだろうかと思ったりもする。
パソコンもここ数カ月の間にだいぶ使わなくなってきた。
狼煙?鳩?矢文?


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by 907011 | 2015-07-09 05:12 | Trackback | Comments(0)