山中記

<   2017年 04月 ( 20 )   > この月の画像一覧

春霖。

28日7時、上納。
4月分の区費徴収に集まる朝。
昨年全員の区費を一律下げ、
今年度も死去などに伴い2万くらい下げたので、
歳入は2年で40万円減額してスタート。

金融に預けた後、朽ちた消火栓のポンプを回収・格納。
トラクタのグリスアップを経て、
田打ちはじめ。

”オクサ”の2枚だけ水が溜まらずにたまらない田んぼに入って
しばらく代かきし、ひび割れているだろう下の層に泥を詰めて、
水をとる。
育苗中の苗を使って最後に田植えしたい予定なので、
おおよそ1ヶ月間、耐えてもらうことになる。

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29日朝、たまらん田にふたたび入って、もう一回泥を詰める。
たまるか。
「なおきさんの田が泥になっていた。」と
イサオさんが腰をさすりながら巡視報告にやってきた。
この時期の我ら耕作者は「先走り過ぎ注意」や「頑張り過ぎ注意」と言いながら、
先駆け過ぎそうな者に対しては、
もっとゆっくりしようよ、まあまあ休んで一服しようよ、と釘を刺し合う。
離農者も年々出るが、山の田んぼは集約化は難しいし、
それぞれのブロックに複数人の耕作者が居て多様化している方が良い面もある。
一人でやっていると心身を休める一服のタイミングも下手になるばかりだ。

雨で草も勢いよく伸び、
家人が”こうすんず(強清水)”のつくりぜんまいを見にいくというので
休みがてら林の中を歩く。
沢の反対側の崖のはるか上にいいぜんまいがあるが、
崖すぎて登れず届かず。
「崖が過ぎるぞ。」と言ってあきらめる。

田からあがったトラクタの泥落としがてら畑を2枚耕す。
『故・石塚亀吉3年日誌』によれば、
「耕」という字を書いて、昔の人は「たがえす」と読んだそうだ。
土の天地返しこそが耕すこと。味噌づくりを思い出す。

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藤のツルが蛇のように巻き付き、しめ殺されて木は枯れ倒れる。
花の時期こそ綺麗だが、そこら中、ふじっつる最強説がはびこっている。

畑をもう1枚打って帰飯。
家人の友だちが年賀状の住所とそこにあった写真を頼りに、
山中まで遊びに来てくれて、鶏と池の生き物たちと遊んでいた。
「夢物語(昔話?うろ覚え)みたいなところだ。」と
友だちはあたりを眺めては褒めていた。
じつは家の中は子や子猫などで足の踏み場もなくなりがちで、
玄関や部屋はそこに暮らす者の脳内をつくづく反映しているのだなと考えさせられる。

鶏がよく遊んでいたので外でござを広げて昼飯を食う。
30分くらい昼寝して午後、月ヨメ沢の田に入ってゴミさらい。
田の雪がまだとけない。
1日に代かきを終えて8日からコシイブキ植えをと思っていたけど、
後ずさりの構え。
去年の春が早過ぎただけなので、
今春は今春なりに植えるしかない模様。
雷雨に打たれ、撤収。
雨でまた草木、よく伸びる。

ウドとタケノコとニシンを肴に早々とビールと酒を飲む。
寝落ちかけて、昨夜もかろうじてぎりぎり風呂につかって寝た。


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by 907011 | 2017-04-30 05:25 | Trackback | Comments(0)

無計画良品。

昨朝。
冬に散々頭をいじめるからかどうか、
一年を通じてどうも眠りが浅い。
夜中に目覚めて、しばらくイヤホンを耳に挿して
吉本隆明さんの「都市論としての福岡」を聞く。

仕方なく起きだして29年産米の計画を練る。
今頃。本来は残雪のうちにやらねばならなかっただろう。
計画はまだ定まらず、
しかしコシヒカリは収量を0.5俵(一反あたり30㎏一袋)上げられれば
おおよそご注文いただいた量になる模様。
上がるか?
否、上げまいか。

不足すれば年貢米分を少し山中の米を買うことになる。
すべてはこれから。
「自分を頼ってくれた注文に対して、
 自分の米が少し足りなそうであっても、断ったらダメだぞ。
 たとえ勘定で損してでもちゃんと応じること。」
と先輩農業者に教わった話を思い出す。

朝食後、子の出勤を見送り、
朝食中のグルグルハウスさんでお茶を飲む。
デザイナー・F前さんが来られていて、
高柳サテライトオフィスに岡野町の空家を買ったと爽やかに話していた。
買って、山中の空家。次は山中のサテライトオフィスも是非。

ミツタカさんに米の紙袋の印字された版について立ち話に寄る。
印刷された袋をオーダーするのは簡単だけど、
最小ロットが500袋からと聞いて、あきらめる。
自分は今春、2町歩農家となったものの、500袋だと半分にも満たない。
農協の丈夫な袋と市販のを組み合わせて、なるべくロスの出ないように
細かな経費を考えると、計画も大事なのだなと、無計画を反省する一方で、
「無計画良品。」と無印のロゴを真似るイメージをしながら帰路。

”先納沢”の田に寄って、水をとって帰宅。
自分らがいま住んでいる”とわち”から市内に出たツネさんが
小さなラジカセで大きく音楽をかけながら何かしていた。春。

苗づくりの匠・マサオさんの田んぼに通っていたら、
田んぼの脇に植えたアスパラに妙に魅かれて、
市販のアスパラ株をさっそく畑の隅に埋めた。
”ごすけ”のハルキさんが畔塗をしてきたと腰をだいぶさすりながら現れ、
親類のバサの田の心配事などを少し話す。
ハルキさんの腰が心配。
他人の心配をしているうちに
いつの間にか自分の方がどっかガタが出る、という毎年のあるある。
我以外皆屈強。

20分くらい昼寝をとって寝不足を補う。
月ヨメ沢の奥に行って、田んぼに入った杉っ葉や倒木や石を片付ける。
まだまだ雪が田に積っている状態であさってあたりから、
コシイブキ分の田打ちを始めたいが、雪はどいてくれるかどうか。

「その土地や自然が、その人を許すかどうか。」
という内山節さんの話を思い出す。

一輪車のタイヤを交換して夜。
ホタルイカをつまみながら姫ノ井を飲んでいたと思いきや、
そのまま長座布団に寝落ちする。
かろうじて風呂に入り久々に子を洗ったりしながら正しく寝る。

変な夢ばかり見ながらだいぶ良く寝て起きたら、
玄関でトイレトレーニング中の子猫が鳴く。
ウグイスもよく鳴き、うちの雄鶏ツユも共鳴相手がいて嬉しそうに雄叫ぶ。
猫の隙間を開けると即、つめを研いでいた。

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<九州一円についての都市について論ずることは、
世界全体について論ずることと一向に変わりなく、
同じことなわけです。
都市と都市を比較するということは、
先進国と後進国を比較するというのと同じ意味を持ちます。
たとえば福岡市と鹿児島市、
あるいは福岡市と熊本市のデータを比べて、
さまざまな観点から比較をしますと、
世界における先進国と後進国、
あるいは先進地域と後進地域との格差が
どのように縮まるかとか、
いや格差は縮まらないんだとか、
そういうことについての判断のモデルになりうるのです。>
(吉本隆明「都市論としての福岡」から)





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by 907011 | 2017-04-28 05:25 | Trackback | Comments(0)

先生と弟子と先生近影。


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メールでいただいた一昨日朝7時の我ら。
高柳小・ワカツキ先生提供。
(西山から時間差で駆けつけて山中で一時迷子になりながらワカツキ先生が撮影)

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先生は記念撮影を大切にされているので、
「じゃあ記念撮影ということで。」とよくいわれる。
(デジカメの据え方とタイマーに難航しながらワカツキ先生が滑り込みながら撮影)


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自分はすっかりドローンの飛行とその撮られた映像の綺麗さに魅せられ、
空撮の弟子となる。
(ピントに苦しみながらワカツキ先生が撮影)
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新緑を愛でる撮影班。
主に道々のブナをビデオも駆使して接写中。
(何やら独り言をいいながらワカツキ先生が撮影)

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朝礼に旅立つ先生と別れるの画。
(「あー、もう時間が・・・」と言いながらワカツキ先生撮影)

 * * *

昨日は昼から農協の総代懇談会に参加。
ちょうど出入金があったので手続きしていたら、
席はほぼ埋まり、最前列でまじめな面持ちでさまざまな報告事を聞いたので、
5月末の市内での大きな総代会は田植休みにさせてもらおう。
異論とくになし。

夕方。
オクサでシゲルさんが刻んでくれた薪を持ちかえって並べる。
少し薪割り。
ムロフシ的山中時間は疲れた脳みそに心地良い。
夜、ウドとタケノコをつまみながら酒を飲んで寝た。




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by 907011 | 2017-04-26 05:33 | Trackback | Comments(0)

土木。

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昨朝のドローン。
6時公民館、すでに山中を一件回ってきたというタキザワさんと合流。

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昨夕も案内した山中の天頂”きんねん”前で、
空撮中のドローンとタキザワさんときんねんタエさん。
「はー。これが飛ぶったかないね。賢いんだねえ。」と感心中。

タエさんに筍をいただく。

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”かっぱつけ”で新緑や黒姫山やハサ木などを撮った後、
日本の棚田百選”オクサ”にもゆく。
「日本の寒がり百選」があれば間違いなく選ばれるであろう俺は厚着して案内。

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飛び方を練るタキザワさんとドローン。

撮りながら、音楽家タキザワさんの話が面白い。
ものすごく温和な語り口と綺麗な言葉の使い方に
タキザワさんの人柄がうかがえる。

「ボクが知っている鳥でまだ一つだけですけど、聞いていたら
 ちゃんと音階(♪ド・ソ・ミ・・・うろ覚え)で鳴くのがいたんですよ。
 ニンゲンはバッハがどうこうといって音階を作り出したように言われますけど、
 それはニンゲンの錯覚で、音階そのものはもとから自然にあったんですよね。」

「バロックというのが1000年くらいでしょうか前にあって、
 そういった過去の文化を見直そうというのが
 ヨーロッパのルネッサンスだったのだと思います。
 新たにつくろうというのではなくて、見直そうだったんですよね、音楽も。」

空撮でさまざまな角度から見る山中の画を見せてもらいながら、
「じゃあ次は鳥の目で見てみましょう。」とドローンを高くあげる。
数百メートルであっという間に機体は空にとけて肉眼視できなくなる。
それらの画を見ながら
「ニンゲンの見方ってけっこう錯覚だらけなんですよね」
とタキザワさんは温和に言う。

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9時。
移動中に麦麦ベイクの話をしていたら、
グルグルハウスのお二人が麦麦さんのパンを持って合流。
みどりの里・山中の看板前にて正しく路上朝食会を開いて撮影終了。

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遅刻して山中土木班に合流。
剣神社の下で倒木処理。
”きんべ”のシゲルさんがチェーンソーで大きな倒木を刻み、
”はちべ”のヒコスケさんがナタで枝を払って、
遅れて合流した”ふじみや”のワタシが枝葉を片付けて山に還す。
懸案事項が一つまた片付いた。
薪にも刻んでもらい、責任を持って一冬かけて俺が処理します。

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午後。
やっと開通した私的ホーム・月ヨメ沢の田にいく。

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まだまだ雪。冬時間。
山の斜面から雪がブリッジとなり、土砂やら倒木を田に運び入れる。

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「なあ、これでも田んぼの上なんだぜ。」と
『タッチ』の”ミナミ”に話しかける風に独り言をいう。

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一番奥の田”1枚目”の上にある二つの沢から、水をとってみる。
両側とも奇跡的に一発で水がとれた。
通した本人も驚きの表情。

この水こそが欲しかったんだ。
我らの米はこうしてつくられる。

夕方。
月ヨメ沢の真ん中まで側溝の泥上げをしながら下る。
お勤め終了の家人とガクがやってきてぜんまいを調べる。
山菜採りに採られていたとのこと。

自家鶏ふん無農薬ハサがけ「山中米」をつくっている田んぼに
2時間くらいかかって水を通して、帰って酒を飲んで猫にひっかれながら寝た。
土木な一日だった。
薪を燃やそう。




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by 907011 | 2017-04-25 05:15 | Trackback | Comments(0)

超。

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昨夕の山中の空写真。
よーく見ると、中央に小ーさく写ったものは何でしょう??


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昨朝。
今春に超天然うっかりミスで一件”やっちまった”M・イトーと連れ立ち、
N・イトーの軽トラで高尾集落へ。
Wイトーでだいぶ前に頼まれていたM・セキヤさんの手伝いに行く。
2時間ほど、プール育苗用の苗を運ぶ。

散水後、ワリフとシルバーのシートをかけて終了。
シルバーのシートは2,3日で外すとのこと。
過去に1日外すのが遅れて200枚くらい全滅したことがあり、
「すっごい、酸っぱい臭いだった。」そうだ。

Wイトーで我らの山中に無事帰還する。
天気好し。
しかし、風はやたらと冷たい。

午後、マサオ先生のさまざまな品種の苗箱に覆土、200枚くらい。
午前中に超天然うっかりミスで100枚くらい、
モチとコシイブキの種が一瞬にして混じってしまい、これも全滅。
「俺もぼけちまったなあ。」と苗買う算段をマサオさんがしていた。
16時に解散。天気好し。


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夕方。
富山・蒼井谷の音楽家・タキザワさんが来られて、
山中を空撮してもらう。

集落の天頂、”きんねん”前のドローンとタキザワさん。


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仙田トンネル前のドローンとタキザワさん。
ここから始まる山中の眺めは、
ぐるぐるハウスのお二人が始めて高柳に来られた際に
「じつに印象的だった。」と一推ししてくれるスポットでもある。
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”はちべえ”前あたりのドローンとタキザワさん。
ドローンは賢い。

うっかりとはちべえとが混在した一日だった。




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by 907011 | 2017-04-24 05:08 | Trackback | Comments(0)

独活。

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昨日。
苗づくり仕事3人2時間して106枚運び入れる。

一族郎党、長岡へ。見舞いと言祝ぎの両方にゆく。
懐かし、長岡。
春農繫期の終わりにまた会議でゆくので泊りたい。

長岡時代の心のともだち・タカオが国際結婚する運びとなり、
昼飯を食いながら根掘り葉掘り、聞く。
タカオの生き方もかなり興味深い。
そしてなおも今秋あたりから「渡米できるかな編」に突入するとのこと。
短い時間だったけど前回タカオが山中にふらりと来てくれてから、
すでに3年も経ていた時間を忘れるひと時でもあった。
それにしてもすごい決断だと感心した。

帰り道、半分寝ながら野菜苗を数本買う。
ワタシは畑がしたいのだった。

夜、ウドをかじって酒を飲んで寝る。



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by 907011 | 2017-04-23 05:24 | Trackback | Comments(0)

春祭。

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山中の春祭の朝。
6時に出、神社に朝の参拝にゆくとすでに5,6人社の中で盛り上がっていた。
神事にあたり狛犬と化したフミエが
神社の大杉の根っこの穴でケモノ探しもしてくれていた。
狛犬相棒、随時募集中。

ガクは「保育園休んで祭りに出よう」と甘い誘惑をされながら、
太鼓の外側の「かっかっかっか」という部分を入念に叩いていた。

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4時半に水を切りはじめ、
8時、筋をまく。
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106枚の苗箱ができた。
祭の日にがつがつ働いて良いものかどうか、
筋まきをしながらふと気付いてしまった。
まあ休めといわれたにせよ、
どの道、天気見ながらの仕事が続くので誰も休まないだろう。

 * * *

剱(剣)神社で清けき春祭。
矢代神官さんに祝詞をあげてもらう。
毎春、毎秋にやりながらも、玉串の奉納が毎度覚えれずにいて、
終わって直会(なおらい)の際に地酒を飲みながら、
いつも玉串のやり方についてレクチャーを受ける。

神事では真ん中の次に、神様の左(向かって右)側が右より重んじられており、
はじめに神官さんが真ん中に玉串を置くので、
二番目の俺は向かって右に置く。・・・ところを左に置いた今春。
秋にまた読み返そう。

マサオさんは山中最後の語り部でもあり、
直会の際に話していた「お稲荷さまは狐が神様ではない」という
(神官さんとの)話しは勉強になった。
「お稲荷さん=油揚げ=キツネの神」という構図で
もはや四十まで生きてきてしまったので衝撃的だった。
(「狐は狛犬と同じ神の使いという位置づけです」と神官さんが補足してくれていた。)
やや疲れた身体に昼酒と祭礼の話とブナの芽吹きがよく染みた。


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直会後、もろもろ撤収作業をして、
区長は現在廃村になったかつての村田一族の集落・岩野へ。
岩野に「諏訪さま」の小さな祠が残されているので、
落とし板を外して掃除をして、幣束を新しくする。

毎年8月27日に”ごすけ”の故・スミばさが来ていたけど、
今夏は誰も参らなくなるだろうか。
秋祭の際にふたたび板を落としに来る。

神事を終えて帰路、軽トラの荷台に小さめのウドが4本転がっていた。
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夕方。
自分の本職の方の田んぼの本拠地・月ヨメ沢を巡視。
これまでと違う雪と山崖の崩れ方で木が倒れ、堰を止めていた。

奥の田にも沢をまたいで残雪が橋になって、
崩れた山の土砂枝と田んぼをつないでいて、
しばらく片付けでまた時間を食うなあと考えあぐねていたら、
奥から”さんしょ”が現れて、「俺の田はまだ2,3メートル雪だった。」と
にかっと笑って言った。


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神頼み、完璧。
明日あたりから6月まで今年もどっぷりと農繫期(怒涛の春編)に突入する。







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by 907011 | 2017-04-22 07:05 | Trackback | Comments(0)

剱。


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春祭準備、昨日滞りなく完了。
故・トクイチ翁が寄贈された幟(のぼり)がだいぶくすんできてしまったので、
これをサイズダウンして作り直そうかと提案あり。
生地自体の大まかなお見積り(もしくは有志の寄付か寄贈)をもらってから、
やりましょう。・・・で、誰が字を書くか?は謎。

簡素化を考える工夫は重要だと思う。
ただ、時折「ここももうなくなるんだから。」という言葉がついて、
考えることを放棄してとにかく難儀いものは廃止という声もあがることがあり、
その場は「う~ん」とお茶を濁して、帰宅してから悶々とすることが増えている。

個々の暮らしと、協働作業との違いをここにきて実感する。
集落維持にかかる協働作業のための、「力」あるいは「手」が
限界を超えて不足している現状を前にすると、
どうしても簡素化を選択せざるを得ない。
でも、安易なだけの簡素化は、
維持するための力や手を現存している実力から余計に減らしかねないとも思う。

減る一方であるし、衰えを隠せないわけですが、
その手にも、その力にもできる適度な小ささの協働作業の部分は
残せたらいいよなあと思う。

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旗立て後、ヘルプの連絡をもらい高尾集落へ。
ミツタカさんの育苗プールづくりを都合半日手伝う。
はじめてプール育苗のやり方をマンツーマンで教わり、為になった。
一緒に作業していると、だいぶ有効的に身に染みてくる。
教わるときに一番よく吸収できるのは、
まっさらな「0」の状態でなくて、
自分がそのことに対して試行錯誤したり足踏みしたりしている状況の時だ、
・・・というのが、もはや「教わる側」歴のみ40年という自分の経験則だ。

一服時にミツタカさんが、
「おまえはキヨシさんとか俺の今を見て、”すげえなあ”って言うけど、
 俺だってキヨシさんのやり方見ればすげえって思うよ。
 ただ、俺にしたって15年いろいろ失敗してきて今どうにかやってるんだから、
 今の姿だけ見てくれるなよ。すげえ苦労したんだから。」
とジャスミン茶を飲みながら話していた。

 * * *

いろいろ細々した用事で疲れ、寝落ち寸前の20時半。
能登のジョージさんから
「世の中からポテトチップスはなくなってもキャベツ太郎は健在。」
という酔っ払いメールが来て、無性にキャベツ太郎をかじりたくなる。

今朝未明。
寝床で目が覚め、イヤホンを耳に挿して吉本隆明さんの語る森鴎外を聞く。
講演が一つ終わり、
毎年恒例気力激減の冬に聞いたクラムボンの『便箋歌』を聞いていたら、
歌詞のおわりが「それより早く子猫を飼いましょう」
という言葉で、より目が覚めた。

「クラムボン」といえば、吉本さんの語る宮沢賢治論も相当におもしろい。




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by 907011 | 2017-04-21 04:49 | Trackback | Comments(0)

名前はまだない。

大風でコンポスト、下の畑まで吹っ飛ぶ。
昨夕は大粒のみぞれも盛大に降って白くなるかと思った。
薪の残、あと少し。

春祭にかかるお金の用意をする。
玉串料、弊束料、御車代と神社負担金で24,700円。
供物を今日の旗立て準備後に用意する。

旗立ても老人クラブ早朝の神社掃除も人手が不足し、
老人クラブより、幟(旗)は短いものへの作り替えと、
神社掃除にはより広く、
各戸から参加可能な家には複数人の参加やunder65歳の人にも
声掛けをしてもらえるようにとの下話あり。


<フランスとか向こうの国、まあ欧米社会といってもいいですけど、
そこでは、社会の構成メンバーが「生きている人間」だけなんです。
だから、自治をするとき、生きている人間だけで自治をすれば良いわけです。

そうすると原理的には、生きている人間が集まって議論をして、
自分たちのルールを決めて、それに従って行動をするだけでいいわけです。
実際には生きている人間が集まって話を始めると、
そう簡単には上手くいきませんけども(笑)。
ただ、原理としては簡単なんです。
(内山節講演会・2011年・高柳町)>



永くやってきたことの意味は消え去ることのないようにしつつ、
簡素化が求められる部分においては、
同時に、集落内での話し合いをしながら、
いまの最適なサイズを手探りして進めるべきだと思う。
ここから先は下手にケガすることのないように。


<ところが、日本の伝統的な社会の自治というのは大変面倒くさいんですね。
なぜかというと、社会の構成メンバーが生きている人間だけでない、ということなんです。
日本の伝統的な社会観では、まず社会の構成メンバーとして「自然」がある。

自然もまた、社会の中で発言権を持っている存在なんです。>


過疎より先にある「適疎」を考える善きタイミングだとも思う。


<もう一つの特徴は、
 「死者」が社会の中の構成メンバーであること。

 だから、なくなった人たちが遠くにいってしまうわけじゃなくて、
 なおも、ここでなくなっていれば、この辺りに居て、
 それで子孫たちを守っている、そういうところですね。>


山中に新たな住人が増えた。
一昨日の夜に預かった4つが(麦麦ベイクさんなど里親が見つかり)
1つになって帰宅した。
名前はまだない。



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<日本の社会観というのは、
 自然と、生きている人間と、死者という、その3種類の存在を構成メンバーとして、
 できあがっているわけです。

 そうすると、
 生きている人間の論理だけでものを言ってはならない、ということです。
 常に、自然の論理も反映し、
 そして、死者といってもいい御先祖様といってもいい人たちの意見も
 反映しなくてはいけない。

 だから、自治をやる時にはこの3者の意志を統合して、
 自治をやらなければならないわけで、
 これは大変面倒なことになってくるわけです。
 当然、会議をしたって自然と死者は発言をしてくれないわけで。

 それでも、結局こういう自治観あるいは社会観を持っていたのが日本の社会だった。>



大風で苗づくりの方は足踏み。
春祭を挟んで少しずつやる段取となった。

しばし、小さな春祭モードとなって、
あれこれを祈る。農業に基づいてきた神事なので。
祈りながら、さまざまにあれこれの下話を酌み交わす。


<じゃあ具体的に自然の意見を反映するとか、
 死者、あるいは先輩といってもいいし、御先祖様といってもいいですけど、
 そういう人たちの意見を反映させるというのは、
 どうするかっていうことなんですけど、
 最終的には生きている人間がきめるしかないわけです。
 生きている人間たちが、自然や先輩たちの代理人を務めなければならないということなんです。

 で、それをするために、
 実は、祭りや年中行事が大変重要になってくる。 

 たえず、祭りをやりながら、
 その祭りでは絶えず自然の神様が登場してくるわけで、
 そのことを通して、自然と人間はどういう関係にあるのかを、
 繰り返し、繰り返し、掴み直す。

 そして人間が人間だけのごう慢な論理に向かってないかということをもう一度見直す。

 それから、年中行事を通して、
 ここでも自然の神様が登場したり御先祖様が登場したりします。
 お盆になれば、御先祖様が帰ってきたり、
 御彼岸になれば、こちらから墓参りに行くし、とか。

 そういうことを繰り返しながら、
 いわば、自分たちの生きる世界を誰が護っているのかということを
 絶えず捉え直すという、そういう作業を通しながらやってきたのが日本の自治なんです。

 祭りや年中行事は日本ではイベントではないわけで、
 自治の仕組みの一つだと考えた方が良い。>




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by 907011 | 2017-04-20 06:02 | Trackback | Comments(0)

たまゆら。

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昨日。
山中水仙の会と山中土木班合同による「水仙ロード」の清掃。
にぎやかに行われる。

小さな鉄人・フミオさんが
前日まで”チューリップ”と呼び愛でていたスイセン(?)を
本日は”ヒヤシンス”と呼びながら、愛でていた。

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一服を一回挟み、昼近くまでかかって国道252からの、
山中秘密(初山中の人によく見落とされがち)の入口にこぎつける。
「おら、今年は山に入らねえからなって言ったのに」と言いながら、
マサコさんがやおら斜面に上がり、
日当たり良く雪融けの早い箇所のウドやノノバの状況をチェック。

昼からフミオさんと山菜採りを禁ずる看板を打ち立てる。
看板もだいぶ朽ち果てており、要補修。
ペンキを塗って面白ろ看板に文言の書き換えをしたかったが間に合わず。

夕方に終えて、帰宅。

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家人とガクがネコ4つを持参して帰宅した。

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荻ノ島と門出の間らへんに捨てられており、
町事務所で保護して、当面の行き場がないのだという。
はじめての猫との山中時間を過ごす。

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子は子猫を前にして当面「お兄さん」となる。
世代交代の進行が降ってわいた夜。

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今朝未明に起床。
猫も起きて活動。
仕事や私用メールや書類整理の事務をするものの、
「あっ」という間に猫に囲まれる。

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数時間、膝に2つ丸まり、その脇に2つさらに丸まって、
ズボンをひっかいたり噛まれたりしている。
おとなしい猫2、騒がしいのが2。

外でうぐいすの声を聞き、雄鶏・ツユの朝の雄叫びを聞きながら、
”ごすけ”の桜を愛でて部屋に戻る、茶色いのがパソコンを打っていた。


<yyyyyyyyyyyyyyyyyzえ>
『山中猫記』(未刊)






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by 907011 | 2017-04-19 05:31 | Trackback | Comments(0)