山中記

はじめにコピーありき。

昨朝。
5時頃に山に出たら、朝に強いイサオさんがすでに機械に乗っていた。
先納沢へ行き、肥やしをまき始める。

(まだ5時だしどうせ誰も通らないだろう)とたかをくくって肥やしをまいていたら、
5分と経ってないうちに、動噴を背負った自分の”気付き待ち”で背後に一台いた。
朝に強いイサオさんの母マサコさんと
山中帰省中の農繫期スーパー助っ人のチヨコさんがニコニコしながら乗っていた。
「山中女子」は農繁期になると俄然その勢いを強め、
はたから見ていて特に田植え時期などは皆テンションも高く、
「田植え=祭り」みたいなもんだなと毎年感じる。

ただ、この祭りはイベントのお祭りと同様、
その前後の作業(田んぼづくりetc.)の方が大変で、
どちらかといえば田植え自体は(機械の場合は)一瞬で終わる。
まったくイベントのように田植えそのものは意外に早く終わる。
切実なのはその前の行程だ。
そして、ワタシはまだ半分くらいの進捗状況だといえよう。



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ニコニコしながら二人は車から降りて、
ニコニコしながら田の畔でヨモギを摘み取っていた。
お茶摘みをする女性たちのようなヨモギ女子だった。
濃厚な手摘みヨモギを使い、
イサオさんのつくる山中もち米、山中小豆を使い、
団子女子がワッセワッセと山中の笹団子をつくる。

「あんこ濃厚。ヨモギ濃厚。ババア濃厚。」
  (『イサオ・ムラタの名コピー集』(未刊))>



村上の「北限のお茶」(?)という言葉を見るたびに、ちょっと魅かれる。
俺も「北限の○○」とか、豪雪地なのに小麦(ゆきちから©門出総合農場)といった、
この環境をコピーに混ぜ込んだナニガシカシリーズがしたい。
「北限の卵かけご飯屋さん」、…北限ではない。あと、ただただ寒い中で食わされそう。
はじめにコピーありき。
「おまえ、そのフレーズが言いたかったんだろ?」とつっこまれそうな、
不純な動機で、時に人は何かはじめたりもする。

午前は”しちすけ”さんの田植えをした。
親子二代に見守られながら、ゆっくり植えて無事春の受託作業、完了。
しちすけさんに、田打ちした際に酒を二本もらい、
昨日はお茶とビールをもらい、恐縮する。
いっぱいもらいすぎて、
「…これってもしや現物支給でことを済まされるのでは??」と不安になったが、
ビールを渡しながら「請求書もなるべく早く頂戴ね」と言ってくれたので安心する。

 * * *

オクサで水をかまいながら、上の田のイサオさんのモチ米植えを眺めていたら、
タモさん&マサさんの同級生コンビが耕耘機で山から下りてきた。
帰りしに通ったら、手招きをされ、掘ってきた巨大なタケノコを3つもらう。
人は何かくれるとき、
「悪い話じゃあないから。」という笑顔で手招きをするものだ。

午後、一枚だけ田こしゃいをしてみたら、
水が全然足りていないという事実に直面する。
土が泥になるときにはやはり相応の水を使ってしまうものだろうか。

30年産米は水で苦労するオクサの田んぼから
雪融けと同時に始められるように、計画を組み替えたい。
水商売。

ワラビをつまんでもらった密造酒などを飲んで20時前に寝落ち、
その後なんとか起きてヨモギ風呂に入って寝た。




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# by 907011 | 2017-05-16 04:26 | Trackback | Comments(0)

仮の姿。

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昨朝。
次なる”オクサ”団地に手を着けるべく、肥やしをまく。

5枚、段々となっている田んぼの、
ふと見たら下2枚の田。
4月末に始動した際に試運転というか、
草押さえに入った2枚に、4月の俺は肥やしもまいていたのかどうか問題浮上。
5月の俺はとうとうわからずじまい。
田植を最後に回したのと、残りの肥やし数からと、自分の性分からとで、
おそらくまいてないだろうと考察する。

6:00。
山中のタモさんことタモツさんが(柏崎から)朝仕事にやってくる。
噴霧器の筒先に穴があいていて、
我が頭髪(不耕起自然栽培、植え直しはしていない)にも肥やしがまかれるような状態だったので、
ビニールテープを借りようと思いきや、「いっぺあるすけもってけ」ともらう。
ついでに「これもあるすけもってけ」というので土のう袋ももらう。
いただける話はなるべく断らずにおいしく頂戴するのが
居候(時代に会得した)の大切な要素だ。

ツキヨメへ水見にいったら、
かなり奇妙な卵があって、おたまじゃくしが群がっていた。
あの卵から何が孵るんだろう。要観察。

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いろいろはかどった一日。
苗をもらいにいった仙田の親分に
「各方面からいろんな話が来てあんたも大変なんだな。」と労われる。

山中育苗の匠・マサオさまの苗代もひじょうに楽しみな様子に育っていた。

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夜中にガクが不調で目覚め、そこから何だかんだで寝てないので、
眠くなったら休もう。
眠くなるまでやろうやろう。

今日は作業受託の田植だったので緊張の面持ち。
さりとて緊張といえども、睡魔には勝てまい。



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# by 907011 | 2017-05-15 04:43 | Trackback | Comments(0)

涅槃。

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山中で一カ所だけ。
この構図で、我がホーム・ツキヨメ沢の奥の田のはじまりが俯瞰できる場所があります。
(たまに友だちが遊びに来た時に連れていって、
 「さっき立っていたのあそこの場所だよ」と見せてあげると、
 どっちの場所から眺めても相互におもしろい。)
緑ノ谷二居リマス。

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ここです、この構図です。
探して、山中。

『The Catcher in the Tsukiyome.』
ツキヨメ田でつかまえて。
未刊。


 * * *


ゴムの雨合羽、最強。
雨でツキヨメ沢の代かきに思いの外専念できて、
トラクタ、ついに次の圃場”オクサ”に凱旋。
オクサは山の水が少ないので、あまり愛着がないが、
日本の棚田百選にもノミネートされておる眺めのよろしいところで、
他の山に居るよりも、人に会える確立が高い。
人に会える確立、て。

中学校の頃、なぜだか、
雨の日に全身カッパ長靴で自転車こいで学校に行くのが、
「あー、いいなあ。」と感じたことをたまに思い出す。
完全にすっぽりとくるまってこもっている感覚がよかったのか、
いまだに思い出しては複雑な感情のようで、不可解でもある。
カッパ内のだいぶ狭い自分の視界で(危ない)、
”自分の世界”かのように考えごとをしながら(危ない)、
自分の動力でペダルをこいで、
あまり行きたくない中学校にゆく。
なぜあの感情がわいたんだろう、中学生の自分よ。

などということを考えては反芻しながら(危ない)、
明るくなってきたので、
今日もやろうやろう。





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# by 907011 | 2017-05-14 04:35 | Trackback | Comments(0)