山中記

飾り。

<小屋の入口の雪さらいやったり夕道ふみも又やる
 予報では大雪警報とか
 外廻りの門松だけはづす>
[『故・石塚亀吉3年連続日記』(未刊)平成7年1月11日より]


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平日はほぼ一人が多いのでワタシの昼食は
なんのかんのしているうちにだいたい13時頃になっていて、
気付くと遅れがちになることが少なくない。
そうは言ってもいざ始まると食事は5分くらいで終わる。

遅い昼を食べ終わった頃電話をもらって、
かんじきを持って神社に正月飾りを外しに上がる。




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例年、小正月行事の「どんど焼き(賽の神)」は神社の下(境内?)でやっていたが、
去年から荒天と年寄りも準備であれこれ担ぐ衆ももはや神社まで上がれなくなったという理由で、
先日、話し合いの末、公民館の近くで小さくつくることになった。

その後の一杯で「正月飾りはいつ外すか」という話を聞いた。
それぞれ、まあこの頃は適当にこの辺りというのが最近で、
ただ、昔は○日って決まっていたなあと、各自諸説あった。

今年は戌年。
今では山中唯一のアイドル犬となったフミエ(いぬ年ではない)の主・マサコさんの話の中で、
「8日頃に正月飾りを外して、外した鏡餅を食べて(15日だったか、うろ覚え)、
 代わりに小正月飾りというので”団子の木”を飾った」と話していた。


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話は少しさかのぼって、
年末に”ばんきち”のカズミさんと神社に上がった。
二年参りの道つけと、
神社に正月飾りを、鳥居にはしめ縄の付け替えをささやかながらしてきた。

滞りなく終わって帰り道にカズミさんが言うには、
「たしかこの木だったかに、冬にキノコが生えて採って食ったっけなあ。」
と話していたのが頭から離れず、
昨日は神社の飾りを外すに要したのが10分程度で、
その後30分くらい、その辺の木をしげしげと眺めて散策したものの、
自分の目は何もとらえられなかった。
映画『風の波紋』で見た冬のキノコ採りをいつか自分もできるようになりたい。

神社の裏手に大きめの杉の枝が何本か裂けて落ちていた。
屋根を(おそらくですが)直撃されてなくて助かった。
今年も倒木が多い。







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# by 907011 | 2018-01-12 06:48 | Trackback | Comments(0)

華。



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今朝。
予想外に晴れて、雪をのせた枯れ木の山の眺めに、
久々に「お~。」と低く唸らせられた。



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”しょうべえ”の木も遠目に映える桜のようで、
早い降雪のなかで目は常緑樹の葉ばかり見ていたためか、なんとも鮮やかだった。




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子はまたお勤めを続ける。
機嫌の良い朝も、悪い朝も。



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山中は集落の上り口から、道路を木が覆うように両側から迫っていて、
(それが道路維持管理的に善いことか否か、わからないけど)
春夏はぶわーっと「緑のトンネル」となり、
田んぼの帰りに原付に乗りながら「いいなあ」と圧倒される。
ワタシは基本的に運転中はあまり前を見て走ってはいない。



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子は、これは「日常」と感じ得るだろうか。
日常だった記憶として、彼には刻まれ残るのだろうか。




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公民館前も枯れ木に華のアーチで覆われている。
日曜日には小正月行事「どんど焼き」が予定されている。
無病息災五穀豊穣、そのほかなんでも想いつく限りを祈念し、
神頼みくらいしかできない自分は一所懸命にお神酒を呑む。





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山中の車を所有している人は、雪の事情で
ほぼ皆が集落の入口の共同青空駐車場に停める。

駐車場で軽トラの雪を落とす帰り道。
(本格的な大雪になると、最寄りのスノーダンプを借りて、
 ライトバンみたいに四角い雪の塊と化した軽トラの後ろの雪を落としたりする。)

北側から見たウチ。
ほぼ見えないですが、真ん中の杉の向こうあたりにひっそりと在ります。





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そのまま天気が良かったので、
「寒波が来るその前に」と自分を洗脳し切って、
今日も書類には向かわずに、落語を聴きながら雪を掘っては運びする。
家の南側も北側も雪の回廊が開通した。

本降りになれば危険ですが、
ちょこまかと降る際はこうしておくと雪を四方の好きな方に運べるので、
自分のような非力な者には良い。





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うちのアホウ鶏どもはめったやたらと雪を食べたがる癖がある。


 * * *

<昔の、つまり、不快感を自分で解消する時間みたいなのがあった気がしますねえ。
 (中略)
「文化」とは、不快感の解消を己ですること。
 他人がつくったもので、解消することを、「文明」という。
(立川談志
人情八百屋」)>





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# by 907011 | 2018-01-11 13:46 | Trackback | Comments(2)

師走のわれら。




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12月のはじまり。
想っていたより一カ月くらい早く雪の予報が登場し、
背後(と家の側面)の無数の丸太に圧倒されながら遅々として割る。
子が真似をする。
鶏や猫が足元に妙にやたらと寄ってきてあやうい。
無農薬田んぼの草取りと薪割りは無心になる時間。ふと、考える時間。
そして雪掘りとあわせて、
耳で落語を楽しんだり、「吉本隆明の183講演」を聴いたりする(こちらは難解)。

今朝は「さくらんぼ」を聴いていた。
後に山村浩二さんという作家が
頭山」(江戸落語では頭山、上方ではさくらんぼと呼ばれる)を
アニメーション化したのを見て、ずっと気になっていた題目をやっと今冬に聴けた。



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想った以上に早かった上に、大量に雪は積もり、
今季も泣きながら降雪後の冬支度をする。
雪の下からいろんな道具などを掘り起こすキリギリス

うちは除雪道から離れているため、
かんじきでできた「歩ける道」をゆく。
大人が見てもなかなかの良い崖(グッド・クリフ)。

1,2年前の冬に酔った帰りに転落して、
あばらを数週間痛めた大人の俺が一応、公民館まで送る。


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12月吉日。
忘年会兼役員慰労会で集落のほぼ9割くらいのニンゲンが終結。
市役所に提出用写真なので冒頭の老人会長マサオさんのまじめなごあいさつ。
この後、久々にベッドから出てきてくれた最長老サイチさんのご発声により、
一挙に栓が抜かれお燗がつけられ、大量のビールと一升瓶が2本空いた。



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そして日は繰り返し、子はわっせと登り、せっせと保育園に通う。



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陽が落ちれば、
大人は公民館で生産組合総会という名の忘年会。
この後さらに2、3人ほど集まって、97%田んぼの話であれこれ盛り上がり、
ハンドルキーパーだった義父は、ノンアルコールビールを8本空けていた。




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猫は想ったより雪に強い。
子は「歩けない道」に弱い。が、寒さには強い。


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丸太はまだまだ割り終えていないので、
薪小屋に非難させて、
雪掘りの後に時間がある時に
たまにこつこつと薪割りを楽しむ冬。

除雪道から離れた上に除雪機もないので、かんじきとダンプとスコップ、
時にマサカリと手斧で日に半分くらいは外をうろうろ、
もう半分は「冬に全部やるからいい…」とためた事務をするのが
自分のここ数年の暮らしになっており、
よく人に「冬はいったい何を??」と聞かれるので「冬眠」と答えている。
(お叱りもよく受ける。)

がしかし、今季の書類は7月あたりからたまったままになっていて、
あらためて見るとなかなかボリューミーであり、
気が付くと机には向かわずに、薪を割ってお茶を濁したりする。
薪となる木(たまに割れずにあきらめるケースもある)にもいろんな形や癖がある。
薪を割る時間をワタシは「ムロフシ的時間」と呼んで敬愛している。

そうこうしている間に、
けっこう締め切りの近い書類提出を知らせるお手紙が届く。
便りがないのが良い便り。



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# by 907011 | 2018-01-10 06:17 | Trackback | Comments(0)