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山中記

Where Did It All Go Wrong?

眠い。
しかも一度書いた雑記が全部消えた。
ミステイク。

しかし、眠い。
昨晩は久々独りカウンター。
でも結局お隣さんや常連さんやマスターと呑んでいた。
お隣さんとグライダーの話。
東山の我々の畑の頭上をしょっちゅう飛んでいるグライダー。
お隣さんはその愛好者でマスターがその仲間の会長らしい。
グライダーはモーターによる動力性のものと、
アゲインストの風を待ってたったったと駈けて飛ぶもの(クロスカントリーと呼ぶらしい)とが
あるらしい。
県内だと弥彦と吉川と、ここの東山だけらしい。
10年くらい前は長岡祭りの会場の頭上を編隊組んで飛んでいたらしい。
今年、国体の時には愛好家たちが結集して派手に飛ぶらしい。
たぶん今日の昼にマスターとお隣さんが飛びに来るらしい。
一応空と地とで手を振る約束など交わして、瓶ビールもついでに交わす。酌いで酌いで。

カヌーとグライダーは似ている。
風景と日常とを俯瞰できるところが似ている。
風景という空間を、日常生活という時間を。
カヌーは水の流れを読み、グライダーは風の流れを読む。
風待ちの時間はサーフィンの波待ちにも似ているという。
善い風は善い流れ。
「待ったりあきらめて我慢したりできるのは、思いっ切り飛びたいから。
 思い切り飛べば、それ相応の眺めを独り占めできるから」
燕の磨き屋さんがつくったピカピカのマイカップを片手にして、
そのヒトは空でも眺めているかのような顔をして、笑った。


野田トモスケさんがカヌー犬ガクを育てたように、
野菜犬を育ててみたいなと企むものの、犬歯はやはりそういう風にできていないんだろうな。
『手まめ通信』によると、ニンゲンの歯の構造だと、
穀物と野菜とを食べる仕様の歯が9割、あとの1割が肉食用らしい。
つまり、ワタシらはさほど肉を喰らわなくてもいいらしい。
すごく納得。
善かった、酒と歯は無関係で。
野菜犬ブリーダー。緑犬。山の家に移れたら、
屋上の替え難い空間の代わりに、犬と暮らすような気がしてます。
空間と存在との交換。


人工モーター音が与える牛のストレスの話などもする。
あぐらってさんの隣の田んぼで持ち主がここ数週間ずっとスズメ避けの為に、
鳥の鳴き声を流し続けている。
聞いているとどうも天敵の鳥の声とは違うので、あれはたぶん同類の悲鳴だと思う。
苦しむ声。
その田に隣接するトマト畑へのストレスがそれ以降気がかりになっていて、
案の定、とはいかないまでも(長雨が主因だけど)、トマトはほぼ絶え絶え。
あれはどうかと思うな。

出荷しなければいけない。
しなければいけない、になっている。
生活の為、甘っちょろいことは言ってもられないけど、
でもどうかと思う。
野菜をつくることには、つくり手の想いが込められていて、
だから、それを食べたヒトが旨いと感じたりできるのだと思う。
だから、スーパーのまっすぐキュウリじゃないひん曲がりキュウリを
こっちが本物だって笑いながらかじってくれるヒトたちがいるんだと思う。

科学的な根拠はないけど、
でもそんな目に見えない物語にこそ、本当のニンゲンのたしかな強度が隠れているんだと思う。
神話。悲しみを紡ぐこと。
命は、別の命やエネルギーを犠牲にして産まれ育まれている。
炎天下、モウロウとしながら、でも全力で自分なりに畑に向かっている。
ふらふらしてばたーんと寝て、またむくっと起きて頭をぼりぼりかきながら、
また畑に向かっていく繰り返し。
風に撫でられる、草刈りの時間は沈思黙考の稀有な時間。
畑愛。
畑に草木に風に試される。誠意を値踏みされているように感じる。
胸を張れる部分。後ろめたい部分。
その分、善いことも悪いこともあって、吸収して野菜が成る。

鳥の声、セミの鳴き声、風の音、水の音。
ヒトが一人、生活していれば無数の音の洪水、匂いの混沌の中に生きているわけで、
それら自然に、”自”然として周りにある音を、ワタシらは別にストレッサーには感じないし、
それがもしストレスになるようであれば、やはり生活に精神に支障を来すのだと思う。



<成功の鍵が何かは知らないが、
 失敗の鍵は、万人を喜ばせようとすることだ。>
ビル・コスビー(コメディアン)

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お盆休みの実験2つ。
一つ、睡眠不足。
睡眠の時間を削ると、もしや、睡眠の質が人一倍向上するのではなかろうか、という実験。
どっちみち、炎天下で汗だくでモウロウと消耗するのだから、
せっかくだからえいっと独り実験中。
野菜も水を無くすと意地になって吸おうと根を張り伸ばす、というのを見てなるほどと。

一つは空。
空の模様を見て、その時々の天気と照らし合わせる自由研究。
昔、松代にいた頃、隣の福蔵のおとっつぁんが、
夕暮れに遠くの山と雲を見て、明日の天気を教えてくれた。
その後、粟島に居候してた時、漁師のオヤジさんが、
風と海と空を見て、天気を予測していた。
その真似っこをして、この夏毎日空を見上げてます。

雲の模様と風。
「曇りの日」というものは、辺り一面雲で真っ白という程度の認識だったけど、認識不足。
曇りの日でもよく見ていると、小さな雲が一面の白を縫うように形成している。
私的には、雲は自由を象徴している。
風に吹かれるままに。風来坊。根無し草。
遠くに離れている好きなヒトたちと、たとえ手をつなげなくとも、雲がつなげてくれるものもある。
空はつながっている。
おそらく彼岸とも。


<Learn as if you will live forever,
 Live as if you will die tomorrow.
 (永遠に生きるかのように学べ。
  明日死ぬかのように生きろ。)>


学ぶことは真似ぶこと。
生きろ。


死ななきゃいいんだ、ようは。

お盆。
祈。
合掌。
by 907011 | 2009-08-16 07:16 | Trackback