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山中記

日。

風邪なんだか何だか寝不足なままうつらうつらしながら
鶏の朝鳴きと雷雨の音を聞く、節目の未明。

年度末な今日に、
次年度の契約更新をしない形で、
明日から引っ越し月間がはじまります。
ということで、今日が最後の出勤。

一年越しになってしまったけど、
かねてから是非とも一緒に仕事をしたいと想っていた農業若者・オダさんが
晴れて自分の後がまとしてあぐらってで働くことになり、
つかの間、同僚としての貴重な一週間を楽しませてもらいました。

コミュニケーション能力が秀逸している彼女は、
明日から新体制となる職場にも新しい風を吹かせてくれるでしょう。頼もし。
引き続き、”あぐらって・オダ”をご贔屓に。

そんなこんなで、ここ数日は通常業務も軽減してもらえて、
親子の農業体験教室の企画をしたり、雪かきしたり温室をいったりきたり。
なんとなく雲の上から俯瞰しているような、もはや守護霊のような心持ち。

おとといくらい、ある天晴れな午後にデッキでコーヒーを飲んでしみじみと、
あぐらって及び東山はあらためて素晴らしい環境だなあと思った。
とにかく、静けさは最高の贅沢です。私的尺度ですが。

同時に、農業体験というものの可能性の大きさもあらためて感じていて、
それは遡ること2年半前に面接を受けた時と変わってないことに気付いたこの頃です。

これからは生活はもちろん、
たとえば種を一つ買うのにもいろいろ葛藤したりするのだと思うし、
悶絶の末に、お菓子売り場(?)の床で駄々っ子になることもありうる、
「34歳・無職」になるわけです。

去年はもう畑に出ていたのに今年はまだ全然雪が消えておらず、
引っ越しそのものもどうなることやら。
かんじきで年寄りたちが道を踏んで冬の生活をしている山中なので
車もまだ入れず、4月は雪かきに通って長岡~高柳をヒトと鶏たちは往復します。

あれをします、これがやりたいです、
と頭に描いていることは”理想”でしかなくて、
山は、土は、雪は、より厳しく、
人づきあいにおいても自分は弱いから自信もまだまだ振り子のように揺らぐでしょう。

目の前のことをすべて楽しむ、という芸当ができる性格ではない自分ではありますが、
自然にせよ、ヒトにせよ、ともかく闘わないというスタンスは持ち続けたいなあと思います。

まずは、居続けて根張ることに専念したいと思います。
何事も三年くらい経てば充実しだす、と根拠はないのに
そればかりは自分なりの経験則としてあるんです。
「2年半」って思いっきり前述してますが。

小さくても、一つでも。
良い報告を持って、
右往左往の道々でお世話になったヒトたちに再会することが
自分なりの恩返しだと想っています。

これまでのあちこち居候根なし草流浪人生で面倒みてくださった皆さんはもちろんですが、
特に今日のこの日ばかりは、
この2年半に出会ったヒトたち、可愛がってもらったヒトたちに感謝します。
有難うございました。











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by 907011 | 2011-03-31 06:38 | Trackback