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山中記

BTM。

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朝、鶏の水を替えたりしている間に毎日のように、この”モミジ”が逃走する。
当初6羽いっぺんに群れに合流して、
これはその6番目なのか「もみろく」と家人に呼ばれている。
体つきと首の裏の毛のコントラストで見分けるらしいが俺は他のモミジと区別つかない時も多々あるので、
総称して「もみこ」と呼ぶ。等距離外交。

いまはそこここの表土にカエルがとりやすい状態(冬眠支度?)でいるらしく、
一羽がカエルを捕まえると、それを横取りしようと追う・逃げるの団子レースが始まり、
見ていてひじょうに面白い。
そうこうして眺めている間に、遠くに行きたいもみこは更なる未知を探求して、
自分でもよくわからないところに突き進んでいく。

捕まえて護送中にむんずと鷲づかみされて、見上げる表情がかわいいのでついまた逃がしてしまう。
真っ直ぐで、じつに潔い目をしている。
そうして、ワタシは翌朝も鶏を追い、
自分の鶏はなかなか食えないよなあと悩みながら焼き鳥をがっつり頬張る。

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山中のもみ殻+山中の米ぬか+じょんのび村からいただいたオカラ。
じょんのび村は豆腐やがんもどきなどを手づくりしてます。近くに来られたら是非。

そのじょんのび豆腐づくりで出てくるオカラをもらい、肥やしがつくれないものか実験。
過去何度か試みるものの、なかなか上手に発酵させられずいまだ試行錯誤中。
いつかはじょんのび有機肥料で「小さな循環」が描きたい。
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岡野町に米を運んだついでに薪ストーブの話(入門編)を聞きに、
高柳の農器具の医者”春日農機”に行く。

春日農機はどっちかといえば屋号の”どうめえ”(堂前)で呼ばれることが多い。
ドウメエには自作の高柳産薪ストーブ「スーパーウォーマー」がある。
今年は2台納品されて、もう一台をちょうどつくっているところだった。
お茶1杯とコーヒー1杯をいただき、何となくチェーンソーもいただいて帰宅。

これからドウメエに初めてお会いする方もいるかもしれないですが、
特筆すべきは、父ちゃんのかぶっている帽子のつばの短さであるということを知っておくと、
よりいっそう楽しめるかと思います。
俺がこれまでの人生で見た帽子のつば史上もっとも短いと思う(普通の帽子の時もあります)。
BTM(帽子のつばの短さ)。

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昨日は、先般門出のキヨシ塾長から特別補講をしてもらって以来の検討課題だった、
「山と田んぼとを分けること」に着手した。
自分の主戦場である月ヨメ沢に4本ほど「掘るもの」を持参して、べと(泥)とたわむれる一日。
紅葉がきれい。

”紅葉”というものはこれまでいかなる時も、たとえば車で走ったりしながら
とにかく遠くの山を眺めて、「アラ、やだ~」とかいいながら愛でるというのだったけど、
いつしか自分の身体ごと、その紅葉たちの赤や黄の中にあってこうして働くようになっているのだな、
すごいな、山の中に居るのだなあと昨日ふとそんなことをしみじみ思った。

我ら山中 冬は雪のなか~
(川島正臣作詩作曲『やまなかの歌』 ※うろ覚えシリーズ)
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山肌を縫って水がしたたる。
昨日もじつに水がきれいでした、月ヨメ沢。
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思ったよりもはかどって、帰りに沢の水を引っ張り、掘られた土側溝にドボドボと入れて、
水の流れで細かい泥などをクリーニング中。
・・・今朝見に行って崩壊してないことを祈り中。

自然は当然がごとく「原野」に還ろうとする。
水も草も木も土砂も皆、さあ山に戻そうと、まるで上から俯瞰して眺めて思惑を持つかのように、
すべてが刻々とうごめいて迫り来る。自然作用。

今泥や沼と格闘して田んぼを少なからず自分なりに保守しようとするのは、
難儀で不自然ということにもなりましょうけども、
そんな自分の田から顔を見上げると、そこここに開墾された昔の棚田の跡が上の斜面から連なっていて、
山の中に田んぼを一枚つくるその苦労はどれほどのものだったろうかと想像する。
まさしく身を削って命を懸けて築かれた遺跡だと思う。

すべて古いものが良いわけではないけども、
時々、「古いもの」のなかに、ふっと「新しいもの」を見る瞬間があって、
重ね見たそのときの見え方というか、稀な感覚が自分はたまらなく好きだ。

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山中一人土木部。
随時体験歓迎。
ただしやり方はその時々で見て考えてみるという実験レベルなので、いろいろ遅いし、
長いことフリーズ(黙考)したり、やり直しとか二度手間も尽きません。
そのうち疲れたらくん炭焼きも予定してます(雪に降られたらあきらめます)。
紅葉、綺麗。

もしや11月後半、隣りの空家に薪ストーブが据え付けられるかもしれないので、
その際は帽子のつばの短さも目撃可能かもしれません。
是非。

コントロールするということはできっこないですが、
「気候風土を掌握する」百姓の姿には近づいていきたいものだなあと想います。

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by 907011 | 2014-10-31 05:09 | Trackback