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山中記

稲あげ。

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はさ。
上から見るか、下から見るか。
それが問題だ。

どう生きるか、みたいな問題だ、
と27歳ころの俺は自問したんだった。


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16日、稲あげ。
2週間ほど架けた稲を外して脱穀。

山中で初めて借りた3.5畝ほどの田んぼで、
自家鶏ふん・無農薬・はさがけを細々と続けている「山中米」。

去年からもう一枚実験田を増やそうと試みているものの、
今年は慣れない自治仕事にあわあわとしていためか、
草取りも出遅れ、鶏ふんもほとんど入れずというスパルタ農法の結果、さすがに米少なめ。
ワタシの心身の弱さと収量は比例関係にあるようです。

がしかし、今年はすべての稲刈りが終わってから刈って架けたので、
実はちょうど完熟していてくず米がほとんどなかった。

自然が見せてくれるもの、風土が織り成してくれるものは、
失敗と成功、損や利得のどっちか一方ではなく、
表裏一体な物語としての説得力に満ちている。
思考でも言葉でもなしに、ただ物語を姿として見せる。

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はさからはさへ。
自分の稲上げが終わった途端、
隣りの”ごすけ”に頼まれて、再びはさの上の人となった。
上の写真とだいぶ似てますが、こっちはごすけの家の前。
コンバインの部分がばさと一輪車に変わった。
(俺は極度の高所恐怖症です)

 * * *

おかげ様で今年も皆、御米と成った。
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人の一生のなかで、それぞれの時代に、自然はさまざまなメッセージを送っている。
この世へやって来たばかりの子どもへも、去ってゆこうとする老人にも、
同じ自然がそれぞれの物語を語りかけてくる。
(星野道夫)




稲あげして留守にしていた裏で、
うちでは月子がケモノにやられていたことに翌朝気付いた。


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by 907011 | 2015-10-20 07:53 | Trackback