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山中記

皐月のおわり。

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30日夕。
そうじろ”に書類を受け取りに行く。
「最後の木こり」サイチ翁が来て、長老賢者会議をしていた。
山と畑と切り株と杖と耕耘機で、山の田んぼ話し。
87歳(たしか)差の我ら。

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”かん畑”の毎年のげる崖の下の側溝に、
春先の地区回りの際に見てもらって、
市から側溝の蓋(一枚40kg)を支給してもらう運びとなり、
ワタシ区長初めての自営工事を実施した。

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重機職人・ショージさんと、村の暮らしと農業研修中のジョージさんと3人で村仕事。

数年前に我ら”ふじみや”の故・カメキチ爺さの3年連続日誌にあった、
村の直営工事を復刻してみた。
できる時に、できる人で、できる範囲で、よみがえれ小さな自治。

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できることと、できないこと。
わかることと、わからないこと。
知ってはいても、わかっていないこと。
話せる人と、それを聞ける人。
山と、我ら。

面白いということは、面の前が白く(明るく)なるということ。
難儀いことと、じょんのび(寿命延)いこと。
(基本的に我らの暮らしは難儀が9、たまに1じょんのびぃが還元される。
 でも、そのグッドバランスがたまらない。マゾヒスティックだろうか。
 ちなみに、田に水が「たまらな」くて皆どことなく笑っているのも、
 このマゾ性に属する、かどうかは謎。)


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村営工事に片を付けたショージさんが、
次の現場(発注者不肖ワタシ)の”せんのうざわ”まで乗って歩いてくれた。

もどって5分でご飯をおいしく食べて、寝て・・・
PM1:50。
ここ数日、アラームが鳴って、昼寝から目が覚めた瞬間、
今が夕方なのかはたまた朝なのかと、区別がつかなくなる。
寝不足だなあと表に出て、裸のまま物干し竿のシャツを取って着ていると、
山中のタモさんが「起きたか」と、玄関に居た。
せんのうざわへ。

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もう一人の重機使いタモさんによる、休耕田復刻企画第二弾が始動。


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オクサの草刈りが再稼働した義父・ミチヒロさまにショージ ジョージさんを預けて、
漆島のナガエさんの研究所へ。
ナガエさんの生き物と生きる不耕起田の手植えが始まり、
願って、育ててもらっていた苗を一枚頂戴する。

家から数歩にある田をナガエさんに付いて回る。
「お父さんの苗はどこに植えてあるんだかわたしらにはわからなくて」と奥さまが笑い、
ナガエさんは「うーん。そう?」とほほ笑んでいた。

熱帯魚の水槽にあるような細くて柔らかくて、
鮮やかな黄緑色の水草が陽の光でまぶしく揺れていた。

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25歳くらいの頃だったか、
当時ニ部リーグから昇格をすべく春季キャンプ中の、
アルビレックス新潟の反町康治監督に一時間ほどお時間をいただいて、
取材をさせてもらった。
その時聞いたロジカルなスポーツ論、チーム論、育成論は、
ぼんくらの俺にも耳の中にいまだに残っている。

個人の力を試合の時間には100%出すために、練習を指導する。
けど、いざゲームが始まればプレイヤーはグランドの中の11人。

状況、条件はその時々に変動もあれども、
ゲーム中の選手の動きというのは大きく4つのパターンに分かれる。

自分たちがボールを持った時(オフェンシブ)と、相手が持っている時(ディフェンシブ)の縦軸と、
もう一つの横軸として、
自分がボールを持った時と、持っていない時。

その4つの動きの中で、一人一人の「自分」が何を考えながら、どう動くか。
その動きがチームとして攻めの時間と守りの時間で、
どう連動するか、どういう意志を形成していくか。
それが瞬時に組み立てられるか、否か。

この4つの区切り方における視点は、
後の自分もさまざまな環境下で、ときどき思い出しては反芻する。

アルビを昇格させ、サポーターにスタンドから「男前!」と賛辞され、
五輪監督になったり、その後の活躍はご存知の通り。
反町監督のロジック

ワタシも現役時代に「サラリーマンJリーガー」としての反町選手を見た時、
「かっこええ!」と魅かれたクチでした。
憧れが過ぎて、ガチガチに緊張した(俺にとってのみ)貴重な1時間だった。

その後も、一応の取材者の末端として、
当時の市営陸上競技場から竣工したビッグスワンまで、
プレス席で眺めたり(上から見ると反町監督のロジックはさらに説得力を帯びたものでした)、
ピッチのカメラマンに混じって、コーナーキックを蹴るとこで写真を撮ってみたり、
明らかに必要以上にベンチに近づいて、腕組みをする反町さんをしつこく写真に収めたりし、
現像されてきた写真を半ばブロマイド化して、自分の記者机でうっとりしたりなどしたもんだ。





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by 907011 | 2016-06-01 04:27 | Trackback