山中記

距離。



昨日記した「湯たんぽ的ネコ」が今朝は戻ってきてくれたけど、
やっぱりなのかどうなのか、すぐにアラームが鳴って起床、火入れし、
結局のところ、「早朝えさを与えるニンゲン」とネコの関係で完結していた。



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未明。
飽かずにずっと表を眺め続ける元・捨てられたネコ。

冬は外に出る時間が大幅に減ってストレスフルでその辺のノラ猫、ケモノ(小)と
牙を交えたり、遊びたいのか。
それとも、(目の前にたまたまミルク缶があったのでふと思う)、母ネコのことでも想うのであろうか。
哺乳類として生まれたからには、いずれにせよ母親のいない子はいない。

 *

自分はどちらかといえば(というかかなり偏っていて)、
父親が好きで、母親はあまり好きじゃないまま育って、
それは間近で自分を見ている人が引くくらい、いまだに修復できていない。
俺も邪険だし、母親は何というか依然として変わらない。
そんなんだから、自分は対人との距離感においてどうしても偏りや悩みを抱え続けるし、
これからもさほど大きく変容することはないと、我がことながら思う。

日常生活に支障をきたすレベルで「恥」を避けたり、
その為が故の照れ隠しに逃避するのは母の血であるし、
一方で、ツボにはまれば他のことなど視界に入らなくなって
無茶してでも強引にでも一心不乱に没頭するのは父の血であると感じている。



< 私が長年、父とわかりあえなかったのは、父のスタイルを軽蔑していたからだ。
 彼が誇りをもっているその生き様や価値観を、私は汚いものを見るように軽蔑していた。
 父は私の生き方を軽蔑したりはしなかったのに。>
(田口ランディ『できればムカつかずに生きたい』ー断層の向こうのお父さんたちーから)


田口ランディさんのもう10年以上も前に書かれた本だけど、
『できればムカつかずに生きたい』をこの冬寝床や火の番をしながら、
読み返してすとーんと腑に落ちたり脳裏に突き刺さるような言葉がいくつもいくつもあった。


< 女の私ですら母を守ろうとしたのだ。
  男の子ならなおさらだろう。
  子供の母親への熱烈な愛情は、母親の想像を超えている。
 母性愛は子供が母を思う気持ちには絶対にかなわない。
 母は子がなくても生きる。生まれた子は母がいなければ死ぬ。
 子供が母を思う気持ちこそが本能なのだ。母性は本能ではない。>
(ーお母さんを守ろうとする子供たちー)


< どうも、ここ30年ほど子供たちは
 四次元ポケットを持った社会に育てられてきたらしい。
 なんでもかんでも与えてくれる。
 悪い事をしても子供だから許してくれる。理解しようとしてくれる。
 困った時は助けてくれる。
 子供たちっていうよりも、私も含めた大人もみんな、社会的母性に育てられてきたのかもしれない。
 母性は平均化するのが苦手だ。ある部分には注ぎ込みすぎ、
 ある部分では全く発揮されなかったりする。あまり合理的ではない。
 合理主義は母性と反するからだ。だから、実はかなり不平等である。>
(-私は父性を持ちたいー)


自分の「思春期」も(?)また、いろいろけっこう苦かった。
いまだもってまったく自己処理できてなく、
折り合いもついてない後ろめたさがある。



< でも、今だに私が表現の上で、こだわり続けているのは「思春期」である。
  あの時代に体験したこと、考えたこと、悩んだこと、
  それらにようやく答えを出すために、こうして書いている。
 言うなれば、思春期の宿題を必死で解いているような感じだ。

  あの、思春期って時期は人間の人生を退屈させないためにあるのかもしれない。
  肉体と精神がいきなり変容する恐ろしい時期。子供だった体が生殖機能を整え、
 毛が生え、生理が始まり、発情し、男を求めるようになるあの、凄まじい季節。
 たとえば思春期って、エラ呼吸をしていたおたまじゃくしが、
 肺呼吸のカエルに変化するような、そんな激変を体験しているように思う。
  その時に、精神も混乱の中で世界の深淵をのぞくのだ。
 あっち側からこっち側へとメタモルフォセスする瞬間にぱっくりと開いた世界の亀裂をのぞくのだ。
  その亀裂の奥の、無意識の闇を私はずっと見つめてきた。
 あの、垣間見た地割れの奥に何があるのかを知るために、
 旅をしたり、本を読んだり、人と会ったりしてきたのだ。

  このエッセイ集は、思春期の宿題への、私なりの解答だ。
  もうすぐ夏休みも終わる。宿題をためこみすぎた。
  必死で解かないと、もうすぐ、秋である。>
(ーあとがき 2000年8月ー)


写経のようにときどきいろんな方の言葉を書いて(打って)、その感覚を手繰ってみる。

振り返ると、ネコはすでにストーブの脇にある棚で寝ていた。








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by 907011 | 2018-01-19 06:38 | Trackback | Comments(0)
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