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山中記

山中⇔アリゾナ往復書簡。

昨朝。
降雪なし、夜明けから少し雨が降る。
いっこうに部屋が暖まらず、
火の番をしながら本を読んだりして過ごす。
ふと思い立ち、
結婚して渡米した、長岡時代にだいぶ世話になりっぱなしだった飲み仲間
もらっていたアドレスのことを思い出し、英文メールを送ってみる。
主に「で、そこん家のパソコンは日本語使えるのかね?」という質問で3行だけで終わる。

 *

昼から風が強まる。
家人の姉が帰省して子守をしてくれていて、
まったく今冬は寒波ニュースの影響もあってか、
だいぶ家人の実家で面倒を見てもらっており、
おかげで去年よりパソコンも使えて事務作業も去年より順調に進む。
(今日、この後朝食をとるかとらないかして、
 公民館で29年度下半期の草刈り作業や役職員給与の精算「まんぞう」が行われる。)

強風の合間を見て、薪小屋にストーブを運んで、
ダンプにロウを塗ってみる。
ここ数年は「雪つかーず」的ネーミングのスプレーを
快晴の日にシューっと吹きつけて済ましていたが、
いかんせんダンプの老朽化のせいか、
雪がくっつくようになり、ストレッサーになるので、
冬に時々一杯やってる時に方々から聞こえてくる、
「ロウ塗る方がやっぱりいいな説」を検証。

今朝は10数センチは積もっていたので、
マンゾウが無事終わってからロウの力を吟味する。


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その後も相変わらず風が強くてあまり外に出る気がわかず、
先日の農業者大会でもらった
論文みたいな東大教授のレジュメを読みこんでみたり、
途中だった北野武さんの本を読了したりした日。
10年以上前の本だけど、松本仁志や中田英寿あるいは
政治家、作家、映画監督との対談で幅広いテーマで為になった。

柳美里さんが
「私、ほんとうの暴力は自殺なんじゃないかという気もします。」
と切り出すあたりの対話が印象的だった。


おいらはよく言うんだけれど、死に対しての完璧な理論は何もない。
あらゆる宗教もそれによって食っているけれど、非常にあやふやなもので証拠が一切ない。
生まれることや生きるということは選べないでしょう。
だけど、死だけは人間が選べる。
選べるのに、その選べるもの自体が、何の意味かもわからない。
それは物理では、原子に戻ったなんて言ってるし、宗教では、天国へ行くとか言う。
地獄やら、輪廻とか、いろんなものを出してくるけど、何一つまともなものがない。
どっかで怪しいものと一緒になる。
そうすると、なぜ人を殺しちゃいけないかというのは、
死というそのもの自体の完璧な概念や理屈、
それを含めて一切のものが何もないから、だれも答えられないと思うよね。
(『頂上対談』ビートたけし著)

  *

寝て起きたら、1時半過ぎにアリゾナのタカオから返信が来ていた。
「I do something little by little everyday.
But even now I can't do anything by myself.
My wife and wife's mother support me.」
としばし英語メールが続いたが最後に、
日本語もいけまっせという一文があって安心した。

かれこれもう10年の付き合いになる。
出会いからその後の二人ともの変遷や漂流いろいろ、
んで、片割れは海の向こうへ。
暮らしの妙を感じる。







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by 907011 | 2018-02-12 06:12 | Trackback