はじめにネーミングありき。
数日前に出席した研修会の話と資料から
(主催が行政だったので)何の遠慮も躊躇もなく引用。
*
柏崎振興局の会議室で行われたのですが、
冒頭は県、市の行政への箴言から口火を切られてました。
「このたび、国が農業とくに中山間地の農村をサポートするための3つの交付金
(中山間地等直接支払、多面的機能支払、環境保全型農業直接支払)を法制度化して、
国から県、市とおりていっているわけですけど、
たとえば県、市レベルの行政における農政では
おそらく平場と中山間との並走は難しくて、
(数年間で人事や部署異動があり)
中山間地農業には対応ができないのだと思った方が良いです。」
「役所はずっと「農地集積だ」とばかり言ってきますが、
とりわけ中山間地における農地集積なんていうのは、
べつに、集積された農家の利益の向上に結び付くことはほぼ無くて、
ただのコストダウン程度でしかないです。」
「3つの直払い交付金で農家の減少という事態をカバーしていくしかないという方針にいたりました。」
~それでも、なのか、それだからだったのか、
講師・ツバキさんの見附市では
1市で1つにまとめる超広域協定組織を立ち上げて、全集落が加盟。
その継続・発展のために、広域協定とは別人格となる一般社団法人を
行政主導で設立後、ツバキさんは市を退職して法人へ~
「NPOというやり方も検討されましたが、
一般社団法人というのは、立ち上げがわりにスピーディーにしやすいというメリットがありました。
この一般社団法人にも①営利型と②非営利型があって、
うちは後者なので内部留保のお金はなく、すべて見附の広域協定内で分配されて活用してます。」
「見附はじつは中山間直払の対象になるのは8集落しかないんです。(多面的は66集落+α)
がしかし、その対象となる山の農用地のカバー率は100%を維持保全しているんです。
(中山間直払8集落の協定面積133ha:年間予算約1400万円。
余談ですが、多面的の方の予算は0が一桁増える)」
「でもですね、勘違いしてもらいたくないのは、
”広域協定”というのはあくまで単なる手段、方法であって、
それぞれの区域はそれぞれの集落が活動するというやり方はほとんど変わるわけではありません。
活動の単位はあくまでも集落です。
ただし、さっき言った山の農地維持を100%カバーしようというところで、
たとえば集落間の人手や作業のやり取りをわたしたちが事務局として調整の話し合いをしたりします。」
「1市で1組織という広域組織を立ち上げたからといって、
それで自動的に付与されるメリットなんて乏しくて、
申請書とか報告書とかの煩雑な書類が組織1枚で済むことくらいです。
事務処理が大きく簡素化されるから、それは行政側は「広域化しろ」と繰り返し勧めてるでしょう?
ただ、メリットって本当にそれくらいなものなので、
この組織を運営していく、あるいは農村集落を維持していくために、
『何ができるか?』ではなくて、『何をするか?』を創りだす、それだけです。」
「あと、1市1組織のメリットは、地域でつくられる農産物の販売です。
うちの市長は商人というかセールスマンのようで、
『まず先に需要』なんです。
販売、注文、販路の確保・拡大があくまで先であって、
その獲得した需要に対して、みんなが生産活動をして追いかけていくというやり方なんです。」
「どこも農家、農地の問題は深刻化するだけです。
昔も、今の若手の人たちにしたって『農家のモチベーション』って何か?って言うと、
たとえば専業農家であるなら、
いわば、「農業で生活していきたい」「農業で飯を食ってなりわいにしたい」というはずだったと思うんです。
かつての米政策と様変わりしてしまって、
それが崩れて現状では残念ながらひじょうに難しくなってきてしまいました。
だからこれまでの、「農家のモチベーション」に頼ってきた農村集落の維持保全もほころんできた。」
~そんなこんなで講演時間の締め切りが来て、その後小一時間グループワークが行われた。
たしかに山手の集落代表の方ばかり参加されていたので私的には面白かったが、
どのグループ討論にせよ、結論はすべて人手不足、若い人が欲しいに終始した。~
「皆さん、若い人がいない、どこも人手不足だってばかりいいますけど、
年寄りだけはいるじゃないですか。
すごい力や知恵を持って残してるんじゃないですか。
関係機関でもいろんな制度がありますが、
たとえば地域おこし協力隊とも異なる「縁」のつながりもあります。
うちではいま、農家とは違うモチベーションを宿した一般市民による農村への出入り、保全モデルとして、
県と協力して”市民ファーム構想”というのをまさに進めてます。
ぼくらは「楽農」と呼んだりしてます。」
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頑張って記憶を掘り起こしつつ無許可で引用しまくりましたが、
あといろいろ割愛し、
最後に私的に一番印象的だった、「集落の名前を売るのだ!」というお話しメモ。
「直売所をつくってみたらおもしろいもんで、
お客さんって山手の方の米から買って、売れていくんですよね。
もうずっと、『地域ブランドを!』ってすごーく頻繁に使われて言われてますけど、
でも「ブランド」って、じゃあ何ですか??
わたしは、”その地域を識別するための要素”なのだと思うんです。」
「だからこそ、いま、集落にあるものでブランド化はできる。
売れるものをつくることと、売ることは違う。」
「”何を生産するか”ということよりも、
その集落や村が持っている背景や過程、
そしてじつはネーミングっていちばん重要なんです。」
(一社)農村振興センターみつけ(椿事務局長)
久々に真面目に記したなあ。
私的結論としては、
「やはり、はじめにネーミングありきだな。フフフ。」と振興局からの帰路に低く唸ったりしたのでした。
寝た子も起きてきたのでこの辺で。
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by 907011
| 2018-12-22 08:14
| memo
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