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山中記

スーパーマン。

昨日しれっと、「それはさておき」と置いてしまったままだった、
「We♡
 O 嶋 」さんの続き。
(二度書きしますが「We」は高柳の濃厚なおっちゃんたちばかりです)

当日参加者には門出和紙にOさん人事異動にあたり、寄せ書きをいただいた。
「オラ、何話せばいいったろ??」と、
早い時刻からに入っていた講師の一人だったイサオ兄こと村田指導員におかれては、
真っ先に筆をとり、
「高柳を愛してくれてありがとう」とためらうことなく書かれていた。
その他全員(のはず)に書いていただき、
なんとまあ以前の同僚・M原さんにも花束などをお預かりしたのでした。
(農家のおっちゃんしかいなかったので、
 王国レストランのおねえさんに無理くり頼んで手渡してもらう。)

Oさんは翌週だかに、
「まるで自分の葬式みたいに送り出してもらえたっす」と振り返られていた。

漆島の(自立経営のミツタカ会長いわく「スーパーマン」)篤農家、
ジンさんにも、冬仕事にストイックにされている彫り物を二点いただいた。
後日、忘れたころに会長経由で請求書が来て、
0が一桁足りない額面にたまげた。



スーパーマン。_b0079965_05533010.jpg



千円札を二枚だけ握りしめて、
苗代づくり繁忙期に突入中の漆島ジンさん田んぼへ
スミマセン、ほんとにスミマセンとお昼上がり直前にゆく。
「気持ち一つだからお金なんかどうでもいいった。
 ・・・それよりお前、俺の隠れ部屋、見たことあったっけ?」
と作業所の二階の「米山仁工房」にあがらせてもらう。
圧巻だった。
「お前初めてだろ。石黒の人なんかは立ち寄るとちょっと見せてくれって来るんだよ」
とスーパーマンはあのポワンとした一見女性的な微笑みかつドヤ顔であがらせてくれた。

ワタシは未知の世界に突然邂逅して圧倒されるままに、
それでいてずんずん奥に入る。
背後からジンさんは微笑みながら「お前、お茶とか飲むのか。酒は飲むもんな」と、
茶筒とワイングラス風の柄のついたコップをいただく。

「いやいや、ここまでジンさんにもらってしまうと、
 俺もいよいよ事務局を送り出されてもいいですなあ。」と言ったけど秒殺で無視され、
「いや、お前がそれもらったから、
 むしろ俺が先にそろっと辞めさせてもらうんだからな」と釘をさされる。
やぶへび。

 *

皆を見ていて感じる。

優しい男は、いつも強い。

借り物の言葉(しかも順番などいろいろうろ覚え)ですが、

やさしいためには、より強くあらねば他人にやさしくなんて続かない。

個々があらゆる場面においておもしろくあるには、
強さとやさしさを持ち合わせていないとそうそうしなやかでは居られない。

自立する強さを保持して動き続けていられるためには、
おもしろく、かつあらゆるものと折り合いを優しくつけていないとやってられない。

「やさしく、つよく、おもしろく」。

自分が好きな人たちはみな、難儀のなかでしょっちゅう笑って居る。
おもしろさという潜在要素を手彫りしている。

しちめんどくさい「他人がどうこう」だの「環境がどうこう」だのいう屁理屈を超えて、
ただ居る。ただ在るのだ。

やさしくてつよくて、そしてじつにおもしろい。
何より単純明快なスーパーマンたちが山のそここに、笑いながら居る。



 *



<枯れ行く葉が相変わらず地面を護っている
 そんな大地蹴って歩いては声を探すの

 私はあなたの孤独に立つ意思を思い出す度に
 泪を湛えて震えているよ
 拙い今日の私でも>
(東京事変『スーパースター』)

そもそもの作詞にあたって敬愛するイチローを
椎名林檎はイメージして書かれたといわれる。
3月26日。
椎名林檎さんは多くのリクエストに応えて、
イチロー選手引退会見の後に『スーパースター』(東京事変)の動画を公開されていた。










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by 907011 | 2019-04-19 06:14 | Trackback