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山中記

忙しさについて。

半農半Xの、
農の部分も忙しくなってきた。
その少し前にXの部分も時間が足りないくらいに忙しくなった。
X=多業の組み合わせ。
できるだけ地域で、
自分は視野が極狭なので、さらにできれば山中集落内でちょこちょこ仕事しているのが
気質的にも、また自分の心身の力の無さ的にもちょうどいいアンバイだと思っている。

 *

よくいわれる、「忙しいとは”心を亡くす”こと」でもあるんだろうけど、
心を亡くすことは、ときに脳みそが情報過多だとか、使いっぱなしでくたびれたときには、
心を亡くしてできる何かがあるということはありがたい。

たとえばそれは静かな山のなかでの
単純肉体労働が自分の場合は多いと思うけど、
心を亡くして、「無」の時間を脳みそに与えることができるので
心身にとっては貴重かつ一石二鳥の時間となる。

無になる私的コツみたいなのは、
外仕事なら鳥、カエルの声に集中することとか、
たとえばトラクターに乗っていれば、トラクターのエンジン音に焦点を当てて、
視覚重視で暮らしている脳みそを、
とにかく何割かでも聴覚重視に切り替えてみる練習でもある。

 *

Xは農業系事務をかけもったり、
山中での仕事をしたり、
子どもと短い時間であっても過ごしてみたり、
フキノトウを摘んで下処理してみたり、山菜や野の草を採ったり、
畑に不耕起畝をつくって種をまいたり
(「農」部門でもあるけど、畑は観察や種採りがしたいがためにやっている)
柿、桑、熊笹の葉っぱを摘んでお茶にしたりetc.
やっぱりXも春はとりわけ忙しそうで、でもそれが無の時間となってくれる。

 *

今日は午前石黒で農業系事務のほうのワタシが「事務局」として会議に出る。

事務局。
魔法のワードで私的にはあまり好きではない。
なぜなら、会議のなかではたびたび
「じゃあ、(よくわかんないけど)次回までに事務局の方でまとめておいてください」
などという乱暴な使い方をされることがたまにあるからなのだろう。

俺は”超非常勤事務局員3号”だから、
他の専任事務のお二人にお任せしてトラクターに乗ったりしているのだけど、
一昨年だかに町域の農業系の会議で、
「じゃあ、なんか簡素なのでいいから、
 簡単な規約みたいなのを次までに事務局でつくっておいてよ」
と言われたときはさすがのワタシも「ん?!」と思い、鼻息が少しだけ荒くなり、
「”簡単な規約”というのはないと思いまーす」と
フンガーと口から出たことを思い出す。

会議は意見を交えて問題や現象を前に転がして進めていく空間。
マウントを取る場でもないし、
虚勢を張って虚と実とを取り違えるような時間でもない。
ほんとうに大事なことはできるだけわかりやすい言葉で表現するべきだと
伊坂幸太郎さんの『重力ピエロ』にも書かれてあった。
自戒をときどき噛み締められるような自己でありたい、すぐ忘れてしまうけど。

 *

そもそも今日は何かを決める会議じゃなくて、
高柳町で農業をやってみたい人を受け入れて、学んでもらい、
育成してゆく「高柳版アグリパス2023」の新人・ミサエさんの顔合わせ会だった。
これにしたって、年間200,300万円をかけての事業である。

明るくなってしまったので、
会合の前にしばし野に放たれてこよう。


何をXにするか、
それは自由だ。
生きて、選択を繰り返し、暮らしていくそのうえで、
本物の自由というのが、このXにはあるんじゃないだろうかと思う。





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ブログテーマ:新生活の思い出
by 907011 | 2023-04-17 05:05 | Trackback | Comments(0)
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