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山中記

「自分なくし」の指針。



 私がしているのは、
辛いことも楽しそうに見せなければいけない仕事なのです。
「楽しそう」と思われるようなことを話す、
そう話すことで自分の脳を騙して、自分も楽しくなる。
それはあくまでテクニックであり、自分そのものではありません。
その部分だけが私のすべてではないのです。
 というのも年を重ねると、
自分はたいした奴じゃないという自覚が強くなってきます。
しかしそれに反比例して、立場は少しずつ良くなってくるものです。
学生のときからやっていることは変わらないのに、
話を聞いてくれる人が増えてきます。
しかし、当の本人は自分のことをたいしたことないと年々思うようになります。
 結局、「自分探し」が行き着く先もここです。
思っていたよりたいしたことのない自分を見つけてしまう。
それを認めるか認めないか。
人によってそれは違ってくると思いますが、
たいしたことのない自分を認めるというのは、
誰にとっても悔しいことです。
人によっては傷ついてしまうかもしれません。
 必死になって自分を探した結果が、
「たいしたことない」では浮かばれません。
そんな徒労を重ねるよりは、
早く「自分をなくす」方法を身につけた方が、
他人の機嫌も取れるし、回り回って自分も得をします。
(みうらじゅん『マイ仏教』)








 だからか、私は昔からものまね芸人が大好きです。
「自分をなくす」ということと、「ご機嫌を取る」ということが、
彼らは同時にできているからです。
ものまねというのは、「自分なくし芸」と言ってもいいでしょう。
たまに半ば素人が、
中途半端なものまねをするのを見かけることがありますが、
目も当てられないくらいひどいものです。
 なぜならそれは、「自分をまだキープしたままの”ものまね”」だからです。
「自分探し」よりも「自分なくし」。
 これこそが、生きる上での大事な心構えなのです。




柏崎市探しよりも、時には柏崎市なくしの旅を。
回り回って得をします。
その動きは今まさに高柳からも起きようとしている、
のかもしれないとワタシは想う。






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ブログテーマ:新生活の思い出
by 907011 | 2023-04-18 05:11 | Trackback | Comments(0)
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