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山中記

2018年 03月 23日 ( 1 )

『楕円幻想論』



昨朝、白湯をすすりながら、15分くらい同じところで
おそらく同じくなるであろう内容の雑記をぽつぽつと書いていたら、
ひと息にページが閉じて、全部消えた。
仕事のものじゃなくて結構だったし、
けっこう多くの人が同体験をしていると思いますが、
わりあいに心が折れるもんだ。

それにしても、なぜだろうか、フォントが明朝体だ。
字体は文字の印象にとってどういう影響を及ぼすものであろうか、
と昨朝も思ったりしたのでした。
明朝体になると、なぜかですます調になりがちだ。

薪ストーブで湯を沸かして飲んでいると、
うちの上の”ごすけ”のバサを思い出す。
バサのしていた、薪で沸かした風呂は良いという話を思い出す。

ごすけのバサが亡くなって丸一年が経った。

 *

冬季レクの輪投げかなんかをしていた時に、
こじんまりとしながらしかしそれはそれでなかなか盛り上がり、
どやどやと、ダッハッハとやっていたら、
ドアを隔てた階段側から、「すみませーん。すみませーん」と
謝罪を続ける声が(誰かが気付いてくれたおかげで)聞こえて、出て見たら、
階段のだいぶ上部に上りつめたところまで迫っていたオオツカ新聞屋さんだった。

ドヤドヤ空間から出て、
うるさくて気づかずにすみませんと、
むしろこっち側が本来の謝りとしてのスミマセンを述べながら階段を下りると、
新聞屋さんは「新潟日報販売営業部エリア担当」という、
いかにもその手の表情(顔を忘れてしまったけど)をした男性を連れて回っておるようで、
二言三言交わして、取り急ぎ4月に一カ月日報を取ることにし、
再び、輪投げ空間へと戻った。

その後、公民館で一杯をして帰ってから、
睡魔に襲われながらキャンペーンお願いでいただいた新聞を読む。
自分は致命的に読むという行為が遅く、
しかしながら新聞がたまったり購読しても読めない状況が続くと、
けっこうストレスを感じてたまらなくなるので、
地元の新聞屋さんへの付き合いが悪くて申し訳ないと思いつつ、
この数年間頑なに新聞を取らない姿勢を貫いている。
モノが溜まれば溜まるほど、たまらなくなるからだ。

日報はわりと時間がかからずに読み流せる地方新聞だけど、
冬季レクのその日にもらったのは日曜版なので、
どの手の新聞であっても文化欄や読書、書評のページが3、4ページくらいはあって、
この日曜ばかしはどうにも時間がかかる、でも充実している、
がしかし、やっぱり読めずに時間切れでたまっていく、
というジレンマを久しぶりに思い出した。
まったくもって、小心者が故の偽善的”完璧主義”みたいなものだ。

しかし日曜のその3ページについては、
やはり読めれば、興味深い。
「21世紀の楕円幻想論」という本の書評を目にして、
なるほどなあと感心するのでした。


<そもそも楕円幻想とは何か。

文芸評論家の花田清輝がかつて書いたエッセーの題という。

二つの円のどちらかを選ぶ思考ではなく、

世界を楕円と捉え、

二つの焦点の間を行き来する思考を指す。

縮めれば円に近づくが、決して真円にはならない。>

(平川克美著『21世紀の楕円幻想論』について書評:佐々木俊尚)



21世紀の楕円幻想論 その日暮らしの哲学

平川克美/ミシマ社

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「楕円」的な見方のできる人に、
自分もけっこう感化されたり、あこがれていて、
翌朝も思わず読み返しては、面白いなあと思い出すのでした。
思わず写経のようにwordに言葉を咀嚼しながら打ち込んだせいで、
ここに来て字体は明朝体じゃなくなった。

そこからさらに、価値交換と関係性に膨らみ話が展開されてゆく。
こういう切り口や拡げ方で出てくる言葉にはぐいぐいと惹かれていく。



<ここから著者が引き出すのは「お金」論である。

伝統的な経済は贈与に基づいていた。

人が人にモノを贈り、返礼する。

等価ではなく、半返ししたり、多く返礼することで

「負債」をつねに残し、関係を持続させた。

しかし貨幣の出現で、交換は等価になる。

これを著者は「関係を断ち切る道具」だったと巧みに表現している。

 それによって交換の速度は上がったが、

同時に伝統的な関係の持続を不要にした。

市場とは「『無縁』の場であるわけで、

そこは旧態依然とした地縁血縁的なつながりや、

長幼秩序といったものが意味を持たない」。

 中世日本には有縁の息苦しさから逃れる避難所として

寺院や自由市場があった。

有縁の社会で、無縁はセーフティーネットになっていたのだ。

しかし、無縁ばかりの社会も不安が募る。

これに2択を迫るのではなく、

楕円のように両方をバランスよく持つ必要があるというのが著者の論で、

非常に説得力がある。>
(同)



中心軸を2つ持つ楕円。
https://tsunagou.exblog.jp/23507877/













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by 907011 | 2018-03-23 05:30 | Trackback | Comments(0)